イギリス人フォトグラファー、スティーブン・ギル(Stephen Gill)の作品集。本作は、2010年の夏に作家がルクセンブルクの国立オーディオビジュアルセンター(ICA)の依頼により、デュドランジュに位置する製鋼産業跡地を撮影したものである。その衰退の様子が未だに残る敷地内には、池があった。作家は10代の頃、池の生態に強く興味を惹かれ、自室に何時間も篭っては白衣を着て顕微鏡に噛り付くといった生活を送っていた。不可思議かつ取り憑かれるような感覚をもたらす池の中の世界は、以降の作品制作へ非常に大きな影響を与えた。

デュドランジュに訪れるまでの8カ月間、池の中のミクロな世界への興味はどんどん高まった。産業開発中とその後の影響を受けた池の中の生態系パターンや過程に対し、社会の中で生きる私たち人間の生活との間にみられる多くの共通点を徐々に意識するようになった。そして次第に、似通っていながらもスケールの異なる二つの世界を視覚的に近づけたいと思うようになった。共存しつつ属性が異なる二つの生態の断片をつなぎ合わせようとしたのだ。ルクセンブルク大学の協力を得て医学用顕微鏡の使い方を教わり、珪藻や微生物を求めて池を探索、観察するうちに、ポルトガル人やイタリア人をルーツに持つ人々が多く住む小さな町デュドランジュの地元住民を作品に参加させたいと考えるようになった。地元民の多くはかつて製鋼業に従事していたのだ。健康面、安全面を考慮し、産業に使用していた池に連れていくことはできなかったので、代わりに池を人々の元へ持っていくことにした。モップ掃除用の赤いバケツに池の水を汲み、そこに水中カメラを沈めて彼らのポートレート写真を撮った。その後、できあがったプリント自体も池に浸し、印画紙の上にもミクロ世界の生態が転写されるようにセットしたのだ。」-Stephen Gill

Stephen Gill’s Coexistence is the result of a commission by CNA to photograph an area containing a pond situated within an industrial wasteland – the remains of the deceased steelmaking industry in Dudelange, Luxembourg. In his teenage years, obsessed with pond life, Gill spent long hours in his bedroom peering into a microscope. The immersion into a strange and disorientating world had a profound effect on him and left its mark on many on the photographic studies he has subsequently produced. During his visits to the area of Dudelange, he set out to draw parallels between these microscopic worlds and human societies, and he became committed to the idea of attempting to bring these two apparently disparate worlds visually closer together.

by Stephen Gill

REGULAR PRICE ¥44,000  (tax incl.)

152 pages 
215 x 280 mm 
Limited edition of 1500 copies
(6 different covers per 750 copies)

published by NOBODY BOOKS