DRAWINGS & WATERCOLORS, 1957-2008 by Gerhard Richter
ドイツ人画家、ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)の作品集。2012年にパリのギャラリー「MAISON ET GALERIE」で行われた展覧会に伴い刊行された。作者の活動初期、1957年に制作された黒いインクで描かれた風景画のモノタイプ「Elbe」から70年代に制作された力強い鉛筆画、2008年に制作されたインク画シリーズ「November」、ドローイングシリーズ「Halifax」までを包括的に収録。モノタイプ、インド製インクを用いたドローイング、グラファイト・ドローイング、水彩画をトレースしたもの、偶然こぼれたものと色を垂らしたものの両方の性質を兼ね備えた作品や、灰色と黒のモノクロ作品など、鋭く、殴り書きのようであり、輪郭を擦り消してあるその自発性は、作者のみに見られるドローイングへのアプローチである。通常は使用する素材に由来するはずの特性からかけ離れた「non-drawing」作品の完璧な例である。作者は長きにわたり、職人的、個人的そして芸術的な観点でのドローイングに油断がなかった。ドローイングに対し過剰ともとれる芸術的かつ批判的視野は、戦後のヨーロッパで数人のアーティストにより伝えられ、ドローイングの技術を見る全く新しい方法を導いた。本展では、20世紀で最も重要なアーティストの1人である作者の多様性と継続性を公開し、ドローイング全作品を保有する特別な場となった。元ルーヴル美術館館長のアンリ・ロワレット(Henri Loyrette)による前書きと、スイス人キュレーター、アーティスト、コンサルタントのディーター・シュワルツ(Dieter Schwarz)によるテキストを収録。
EXHIBITION:
ゲルハルト・リヒター展
会期:2022年6月7日(火) - 10月2日(日)
休館日:月曜日 ※7月18日、9月19日は開館、7月19日(火)、9月20日(火)
時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)
開催場所:東京国立近代美術館
詳細
※本展は終了いたしました
会期:2022年10月15日(土) - 2023年1月29日(日)
休館日:月曜日 ※2023年1月9日は開館、2022年12月28日 - 2023年1月4日は休館
時間:10:00-17:30
開催場所:豊田市美術館
詳細
※本展は終了いたしました
From his early “Elbe” monotypes, landscapes in black ink dating from 1957, to his “November” series of works in ink from 2008, via the drawings of his series “Halifax”, forceful pencil drawings from the 1970s, this book explores, for the first time in France, the full range of Gerhard Richter’s graphic work. Monotypes, Indian ink drawings, graphite drawings, and watercolours thus trace, between accidental spills and drips of colours, grey and black monochrome works, and the spontaneity of a sharp-edged, scratched or rubbed-out line, Richter’s singular approach to drawing. A perfect example of “non-drawing”, far removed from the characteristics usually attributed to the medium. Richter has long been wary of the artisanal, personal and aesthetic aspects of drawing. His critical view of drawing, which he considered too artistic, was shared by several artists in post-war Europe and led to radical new ways of looking at the technique. The exhibition reveals the diversity, continuity and the special place held by drawing in the oeuvre of one of the most important artists of the twentieth century. Preface by Henri Loyrette, text by Dieter Schwarz.