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現代のフランス美術を代表するアーティスト、フィリップ・パレーノ（Philippe Parreno）の作品集。

本作は、『REVUE CAHIERS D’ART, 2023, PHILIPPE PARRENO』の100部限定版として制作されたものである。通常版の内容はそのままに、限定版のために布張りのハードカバーで製本された仕様の書籍に加え、氷の彫刻作品『雪だるま（Iceman）』（2020年）が両面に印刷されたプリント作品（プリントは2023年制作）、テキスト小冊子が、特注プレキシガラス製ボックスに収められている。ガラスボックスを収納するボール紙の外箱にはナンバリング、プリントには作者のサインとナンバリングが記されている。

1926年にパリのサン＝ジェルマン＝デ＝プレでクリスチャン・ゼルボス（Christian Zervos）が創刊した美術雑誌「カイエ・ダール（Cahier D’Art）」。1960年に廃刊となったが、2012年にスタファン・アーレンバーグ（Staffan Ahrenberg）によって、エルズワース・ケリー（Ellsworth Kelly）特集号で復刊した。本「レビュー・カイエ・ダール（Revue Cahier D’Art）」2023年号は、フィリップ・パレーノを特集している。

本書で作者は、滅多に我々が目にすることができない作品群を通して30年にわたる展覧会での試みを振り返り再考する。単に作品群を寄せ集めたものではなく、作者の活動の副産物である。気象観測所や様々な観測装置、作品が落とす影、コンピューターのプログラム、拡声器、展覧会の鑑賞者.... これらはデータを収集し、展示プロセスに命を吹き込むデバイスであり、作品の中心あるいはその周辺に存在している。

作者は、2つで1組の対になるようイメージを選び並べた。それぞれが向かい合うものの対照となるよう機能しており、隣り合わせになることで互いの繋がりが露わになり、複雑な創作システムにおける連続性を提示している。本書で組み立てられたパターンやモチーフは、作者がキャリアを通して集めてきたイメージに見受けられる霊的な存在も示唆している。過去幾度にも亘り作品に現れてきた構成要素のコレクションとして、本書は作者の制作プロセスの本質、その存在理由、原動力を探る。

本書に付属する小冊子には、作者と、ロンドンの「Serpentine Galleries」でアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト（Hans Ulrich Obrist）との対談を収録、作者の活動と本特集に向けたビジョンについて掘り下げる。加えて、哲学者であるフェデリコ・カンパーニャ（Federico Campagna）とアンナ・ロンゴ（Anna Longo）によるエッセイが、形而上学的文脈に作者の作品を位置付け、紐解いている。英語版。

通常版はこちら。（カバー絵柄、製本の使用、サイズが異なります。）

EXHIBITION:
フィリップ・パレーノ：この場所、あの空
会期：2024年6月8日（土）- 12月1日（日）
休館日：年中無休
時間： 9:00 - 17:00
開催場所：ポーラ美術館 展示室1、2、5および屋外
詳細

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In this issue of Cahiers d’Art featuring Philippe Parreno, the artist revisits thirty years of exhibition practice through an assemblage of rarely-seen images of his work. They are not a collection of artworks, but the by-products of Parreno’s practice (weather stations and sensors of all types, shadows cast by works, computer programs, loudspeakers, or exhibition viewers…) They are devices used to collect data and inform the exhibition process, at the center or in the periphery of his work.
Parreno has selected and juxtaposed images in pairs, each one functioning as the counterpoint to the one facing it. Side by side they reveal connections and expose a continuity within a complex system of creation.

The patterns and motifs assembled in this volume display the spectral agents seen in the pictures that Parreno has been gathering throughout his career. As a collection of elements that appear and reappear in the artist’s work, this issue of Cahiers d’Art will explore the nature of his process, its raison d’être, and its motive.

An accompanying booklet presents an in-depth conversation between Philippe Parreno and Hans Ulrich Obrist that expands on the artist’s oeuvre and his vision for this issue of la revue. Essays by the philosophers Federico Campagna and Anna Longo situate Parreno’s work in a metaphysical context.