MATISSE AND ENGRAVING by Henri Matisse

フランス人アーティスト、アンリ・マティス(Henri Matisse)の作品集。本書は、作者が1900年から晩年に至るまで用いたエングレーヴィング技法(※註)を広範にわたり網羅する一冊。作者の色彩表現の卓越性は広く知られているが、活動の全体を通してこの手法は不可欠なものであった。エングレーヴィング、ドローイング、ペインティング、そして彫刻、いずれにおいても作者にとっては人物を描写する方法として等しく重きを置いており、どれも欠かせないものであった。

作者の娘であるマルグリット(Marguerite)、そしてその息子であるクロード・デュテュイ(Claude Duthuit)は、作者のエングレーヴィング作品をまとめたカタログレゾネの著者であり、その生涯の大半をこの「知られざる大陸」を発見させることに捧げ、彼女以上に語れる者はいなかったという。エングレーヴィングは、作者の芸術家としての歩み、色彩表現の能力を理解する上で語るに避けられない存在であり、重要でありながらも注目されてこなかったその切り口がようやく本書で提示されている。

また、木版画、リトグラフ、ドライポイント、エッチング、リノカットなどの型が初めて作品と共に掲載され、作品になるまでの過程を覗くことができる。

※註 銅版画の技法。金属板に直接刻み描画する直接凹版技法を指す。

EXHIBITION:

マティス展 Henri Matisse: The Path to Color
会期:2023年4月27日(木)- 8月20日(日)
休館日:月曜日、7月18日(火)※5月1日、7月17日、8月14日を除く
時間: 9:30-17:30
開催場所:東京都美術館 企画展示室
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マティス 自由なフォルム
会期:2024年2月14日(水)- 5月27日(月)
休館日:火曜日 ※4月30日を除く
時間:10:00-18:00
開催場所:国立新美術館 企画展示室 2E
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Matisse and Engraving explores all of the engraving techniques used by Henri Matisse (1869–1954) from 1900 until the end of his life. Though Matisse is known primarily for his mastery of color, engraving was essential to his overall practice. The artist placed equal importance on engraving, drawing, painting and sculpture, with the representation of the human figure essential across all these mediums. This catalogue finally makes accessible this important aspect of her father’s work. For the very first time, the matrices—woodcut, lithograph, drypoint, etching, linocut and more—accompany the works, allowing readers to glimpse the process behind the resulting prints.

by Henri Matisse

REGULAR PRICE ¥11,000 (tax incl.)

softcover
256 pages
240 x 280 mm
color
2016

published by SILVANA EDITORIALE