アメリカ人アーティスト、アレックス・ダ・コルテ（Alex Da Corte）の作品集。2019年9月から11月にかけてニューヨークのギャラリー「Karma」で開催された展覧会に伴い刊行された。作者は、インスタレーション、映像、彫刻、絵画、パフォーマンスなどポップアートからインスピレーションを得て作品を制作しており、後期資本主義の不条理やアメリカ中産階級の消費文化について、作品を通じて批評している。鮮烈な色彩を用い、夢のような環境の中で取り込まれる作品群は、個人的な物語、美術史上のレファレンス、ポップカルチャーのキャラクター、商業広告の魅力的な美学を組み合わせており、我々の文化に浸透しているイメージやストーリーのユーモア、不条理、心理的な複雑さを明示している。作品はしばしば、憂いや悲しみと同時に、遊び心が見える明るさという二面性を持っている。

本展のタイトルに用いられた「Marigolds（マリーゴールド）」は、「幸運」と「悲しみ」を象徴する花であり、アメリカ人小説家ユージニア・コリアー（Eugenia Collier）が1969年に著した同名の短編小説から引用している。本書では、ユージニア・コリアーの同作に加え、美術評論家のタウシフ・ヌール（Tausif Noor）、アニメーターであり歴史家のジョン・ケインメーカー（John Canemaker）による書き下ろしのテキストを収録している。

EXHIBITION:

Alex Da Corte Fresh Hell　アレックス・ダ・コルテ　新鮮な地獄
会期：2023年4月29日（土）- 9月18日（月）
休館日：月曜日、5月14日（日）、7月18日（火）※7月17日、9月18日を除く
時間： 10:00-18:00
開催場所：金沢21世紀美術館　展示室7〜12、14
詳細

Published for Alex Da Corte’s (born 1981) 2019 solo exhibition with Karma Gallery, this volume features the eponymous short story by Eugenia Collier, as well as two newly commissioned texts by writer Tausif Noor and animator and historian John Canemaker.