BUILDINGS AND SIGNS 1978 MODELS by Dan Graham

アメリカ人アーティスト、ダン・グレアム(Dan Graham)の作品集。2015年4月から6月にかけて「スイス連邦工科大学チューリッヒ校(通称:チューリッヒ工科大学(ETH Zurich)」で開催された展覧会「Dan Graham – With an Intervention by Günther Vogt」に伴い刊行された。作者は、1960年代以降のコンセプチュアル・アートにおいて最も影響力のある人物の一人であり、ギャラリスト、批評家、キュレーター、そしてアーティストとして、現代建築、アート、音楽分野における言説を形作ってきた。本展は、建築と都市計画に向けた作者の関心に注目し、建築理論における作者の意義を探るものである。

ガラス・パビリオンの形式を取った作品において、作者は建築的にデザインされた要素を空間に配置し、それによって鑑賞者を取り囲む環境に対する知覚を変容させる。結果、鑑賞者は空間の次元を再発見、再体験することができる。

過去の建築関連作品としては、『Homes for America』などの著作は建築論の必読書とされ、21世紀の実在する都市は郊外に位置するという論争を招く定義を唱えている。近年では、「チューリッヒ工科大学」教授で環境デザイナーであるギュンター・フォクト(Günther Vogt)と共同で制作したニューヨークの「メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)」における「Roof Garden」などが代表作である。本展覧会では、二者のコラボレーション作品をサイトスペシフィックな表現で紹介する。さらに、作者が手がけたもののうち未完の建築プロジェクトの模型を展示し、あわせて建築的現象にまつわる映像作品が、郊外の一戸建てを思わせる演出が施されたインテリアの中で流されている。

本書では、芸術と建築が一体となった作品群において、作者の視点をさらに深めるものである。版元である「GTA VERLAG」は、「チューリッヒ工科大学」建築学科の一部として研究を行う出版社である。

Dan Graham (1942–2022) was one of the most influential protagonists of conceptual art from the 1960s on. With his walk-through glass Pavilions, he places architecturally designed elements in space, thereby altering the viewer’s perceptions of its surrounding. The resulting estrangement effect enables the viewer to rediscover and re­-experience spatial dimensions. Among his recent projects is the commission of the Roof Garden on the Metropolitan Museum in New York which was made in cooperation with the landscape architect and ETH professor Günther Vogt. The publication fleshes out Graham’s perspective on his model-­like works, in which art and architecture come together.

by Dan Graham

REGULAR PRICE ¥11,000  (tax incl.)

ISBN: 9783856763473

hardcover
88 pages
260 x 330 mm
color, black and white
2015

published by GTA VERLAG