HERZOG & DE MEURON 2002-2004. THE COMPLETE WORKS. VOLUME 5 by Herzog & de Meuron [ENGLISH EDITION]

スイスのバーゼル出身建築家ユニット、「ヘルツォーク＆ド・ムーロン（Herzog & de Meuron / HdM）」の作品集。

本シリーズ『THE COMPLETE WORKS』は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンのプロジェクトにおけるスケールおよび制作プロセスの両面で変化していく姿を記録するものであり、第1巻から第6巻までで構成されている。各書は、実践の中核に最も近い位置にある、正確な一次出版物として、作品を同時代的文脈の中で提示している。

第1巻〜第3巻（1996年、1997年、2000年刊）では、よりアナログな制作手法と工程が主流を占めている一方、近年の第4巻〜第6巻（2009年、2018年、2020年刊）では、デジタルツールや設計技術への展開が明確に現れている。プロジェクトチームが選定した図版およびプロセス資料をもとに、編集チームが物語的な構成を組み立て、特定の側面を際立たせながら、プロジェクトがどのように展開していくのかを示している。

待望の第5巻である本書は、2002年から2004年にかけて完成した60のプロジェクトを、特有の細部への配慮とともに収録する。北京の「国立体育場（National Stadium in Beijing）」やハンブルクの「エルプフィルハーモニー（Elbphilharmonie）」といった、すでに現代建築のアイコンとなった建築に加え、実現には至らなかったものの、建築的言説に影響を与えた計画も含まれる。その一例として、スイス・ダボスを見下ろす「シャッツアルプ・ホテル（Schatzalp Hotel）」のための集合住宅タワー計画が挙げられ、これはアルプス建築の新たな世代に着想を与えた。

本巻が扱う時期において、都市計画は作者の仕事における主要な焦点の一つであった。建設需要の拡大を背景とした国際的評価の高まりは、中国における多数の委嘱へとつながり、金東新区（Jindong New Development Area）がその代表例である。さらにヨーロッパでは、スペインの都市ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ（Jerez de la Frontera）のマスタープランや、ロンドン・オリンピックに関わる計画が、将来の発展に向けて広範な都市領域を開く契機となった。

The long-awaited fifth volume on The Complete Works of Herzog & de Meuron presents the sixty projects completed between 2002 and 2004 with characteristic attention to detail. These include buildings that have already become contemporary architectural icons, such as the National Stadium in Beijing and the Elbphilharmonie in Hamburg, but also projects which, though never realized, have influenced the architectural discourse. These include the residential tower for the Schatzalp Hotel, which overlooks Davos and inspired a new generation of Alpine architecture.

In the period covered by this volume, urban planing was a major focus of Herzog & de Meuron's work. International acclaim fueled by booming construction led to numerous commissions in China (the Jindong New Development Area), and in Europe: master plans for Jerez de la Frontera in Spain, and the Olympic Games in London opened up entire urban regions to future development.