THE INHABITANTS by Raymond Meeks, George Weld [ENGLISH EDITION]
アメリカ人フォトグラファー、レイモンド・ミークス(Raymond Meeks)の作品集。「エルメス財団(Fondation d’entreprise Hermès)」が主催する、第6回「Immersion」賞を受賞した作者が、2022年夏にフランス北部の港町カレーとスペイン国境近くのフランス領バスクで滞在制作し、人工的な国境を越えようとする難民たちが残した痕跡を追ったプロジェクトを収録した一冊。場所とそこに宿る記憶、そしてそこに住む人々に深い愛着を持つ作者は、フランスに身を置き、より良い生活を求めてフランスを旅する人々を探しに出た。フランスとスペインを数キロにわたって隔てるビダソア川のほとり、そしてカレー周辺地域で、作者は行き交う移民たちの痕跡と、彼らが横断した風景を捉えた。作者は、こうした通過点を「欲望の線」と呼んでいる。モノクロとカラー写真からなる本シリーズは、広大な地平線と金網で分断された景色の間にある、時に無機質で、時に記念碑的で、時に敵対的なこれらの空間に、世の人々を没入させる。
本シリーズは、作者の芸術アプローチを発展させたものであり、人間がこの世界にどのように生きているかに焦点を当て、自身と他者とのつながりを考察している。作者の日常生活、家族、周囲の環境は、無限の素材を提供しており、それを作者は非常に繊細に扱う。
作家のジョージ・ウェルド(George Weld)が書き下ろした長詩もあわせて収録。本書は、イギリスの出版社「MACK」と「エルメス財団」との共同出版により刊行された。
As the sixth Immersion laureate, a French–American Photographic Commission established by the Fondation d’entreprise Hermès, Raymond Meeks took up residence in northern France during the summer of 2022. The work created over the course of this residency will be exhibited in New York and Paris, and accompanied by this artist’s book combining Meeks’ photographs with an extended poem by George Weld.
Co-published with Fondation d’entreprise Hermès