TABLEAUX CHINOIS by Thomas Ruff

ドイツ人フォトグラファー、トーマス・ルフ（Thomas Ruff）の作品集。1950年から1970年における中国のプロパガンダ画像をデジタル加工したシリーズ「Tableaux Chinois」が纏められている。中国共産党は、このイメージ群を世界各国の言語で配布される雑誌『La Chine』に掲載した。作者は、この雑誌から陽気な兵士、風景、儀式行事や、中国共産党主席の毛沢東を描いたイメージをスキャンし、拡大させることによって、オフセット印刷の網点をあらわにし、さらにその画像を複製し、ピクセル化した。そのイメージをオリジナルのスキャンと重ね、様々な箇所を削除し、最終イメージには、アナログのハーフトーンとデジタルのピクセルの両方が含まれている。本シリーズは、オリジナルにあるアナログのオフセット印刷のグリッドをデジタルのピクセル構造と結びつけている。このことにより、作者は20世紀のプロパガンダのイメージを21世紀の視覚言語へと変容させている。ベルリンとアントワープを拠点とする作家でありキュレーターのディーター・ロールストラーテ（Dieter Roestraete）が寄稿したエッセイ（英独語）を収録。

For his "Tableaux chinois" series, Thomas Ruff digitally edited Chinese propaganda images from between 1950 and 1970. The Chinese Communist Party published these images in "La Chine", a magazine distributed in various languages around the world. Now presented in a large-format photobook, Ruff's work links the original analogue offset printing grid with the digital pixel structure. In doing so, the artist transports the 20th century propaganda images into the visual language of the 21st century.