CONOR DONLON by Wolfgang Tillmans
現代美術界で重要な賞の一つである「ターナー賞」を2000年に受賞し、ロンドンとドイツを拠点として活動するドイツ人フォトグラファー、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)の作品集。被写体となっているコナー・ドンロン(Conor Donlon)は作者の元アシスタントであり、ロンドンの書店「ドンロン・ブックス(Donlon Books)」の店主でもある。15年の長きにわたり撮影をし、時系列に沿って並べられた友人ドンロンの眼差しを通じ、ロンドンのライフスタイルやカルチャーシーン、ナイトライフの様子やその変遷とともに、二者の友情を写し出す。
本書は『CONCORDE』にはじまり、『FRUIT LOGISTICA』『THE CARS』に続く作者本人がエディトリアル・デザインを手がけた同スタイルの書籍の第4作目として刊行された。
「長い期間にわたって撮影した友人たちの写真を使って単調なポートレイトブックを制作する可能性を、何年も前から考えていた。ようやくクリスマスにかけて取り掛かる時間ができて、コナー・ドンロンのために作った草稿にはとても満足している。この本は15年間を時系列順で追っていて、一人の人物のポートレイトであるだけでなく、友情、ロンドンという街、そして今はもう存在しないイースト・ロンドンのナイトライフのポートレイトでもある。ヘアカット、メンズファッション....、そんな色々な要素が、時間という視点を通して浮かび上がってくる。例えば「The Ghetto」、「Joiners Arms」、「George & Dragon」といえば、ロンドナーはわかるだろう?」 ー ヴォルフガング・ティルマンス
“For many years I have thought about the possibility of creating monothematic portrait books of friends I have photographed over a long period. Finally I had the time over Christmas to begin this process and Iʼm very happy with the draft for Conor Donlon. The book runs chronologically over fifteen years and is therefore not only a portrait of a person, but also of a friendship, the city of London, and the nightlife in East London, which no longer exists. Haircuts, menʼs fashion… many aspects emerge through the perspective of time. Londoners will recognise, for example, The Ghetto, Joiners Arms and the George & Dragon”