2 1/4 by William Eggleston
アメリカ人フォトグラファー、ウィリアム・エグルストン(William Eggleston)の作品集。ミシシッピ州とテネシー州で育った作者は、アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)の傑作写真集『The Decisive Moment (決定的瞬間)』に衝撃を受けて1960年代に写真を撮り始め、1966年にモノクロからカラーへと転向する。このことは、世界的に認められている先達から距離を置き、写真を自分だけの表現手段にしたいという気持ちの現れでもあったのだろう。当時ニューヨーク近代美術館(MoMA)の写真部門のキュレーターだったジョン・シャーコフスキー(John Sarkowski)は、作者を「最初のカラーフォトグラファー」と呼んだ。今では我々はカラー写真を芸術と見なしているが、このように世界を変えたのはウィリアム・エグルストンであった。本作は、1966年から1971年にかけてテネシー州メンフィスで撮影した写真のうち、2 1/4インチカメラの正方形のフォーマットを用いた写真で構成されている。デザインは「TWIN PALMS PUBLISHERS」創立者のジャック・ウッディ(Jack Woody)自ら手がけている。ブルース・ワグナー(Bruce Wagner)のテキストを収録。
Born and raised in Mississippi and Tennessee, William Eggleston began taking pictures during the 1960s after seeing Henri Cartier-Bresson’s The Decisive Moment. In 1966 he changed from black-and-white to color film, perhaps to make the medium more his own and less that of his esteemed predecessor. John Sarkowski, when he was curator of photography at the Museum of Modern Art, called Eggleston the ‘first color photographer,’ and the world in which we consider a color photograph as art has changed because of him.