VISCOSE JOURNAL ISSUE 01: STYLE
2021年にニューヨークとコペンハーゲンを拠点に始動したファッション批評誌。ファッション・アートスカラーでありキュレーターのイエッペ・ウゲルヴィグ（Jeppe Ugelvig）が編集長を務める。毎号特定のテーマを掲げ不定期に刊行する本誌は、それぞれ異なる本の形式を採用し、ジャンルを超えた思考を提案することで、ファッションにおける研究、制作、また批評の可能性を拡げることに挑んでいる。あらゆる領域、産業、場所の孤立化を拒みつつ、世界中の知的なファッションコミュニティを対象に発信する。また、研究機関や美術館などと共同で研究を進めることで、広告を掲載することなく刊行を続けている。
創刊号である本号は、広く捉えられうる「スタイル（STYLE）」という概念を紐解く。英語で「style」は名詞であり、同時に動詞としても用いられ、ファッションの最も基本的な単位として、またある種の通貨として理解されうる。「スタイル」は社会における美意識の潮流そのものを指し示すものであり、それゆえに芸術や視覚文化を批評する場においてより広く重要な位置を占めている。
動詞の「style」は、「戦術」という意味も含む。意味されるもの（シニフィエ）の寄せ集め（ブリコラージュ）を通して説得し、コミュニケーションを交わすためのダイナミックな道具なのである。また、「スタイリング（styling）」という現代的な職業にも直結する。ファッション業界で生まれた行為だが、芸術、メディア、消費主義、政治にますます浸透している言葉でもある。本号では、具体的な事例と多くの学問分野を横断する哲学的な思索を通じて、すべての含みうる意味とその潜在的な交わりを批評的に表明している。
コントリビューター：
Jeppe Ugelvig、David Lieske、Shanzhai Lyric、Dena Yago、Matthew Linde、Ada's O'Higgins、Tayore Scarabelli、Seth Price、Mahoro Seward、Jordan Richman、Tomasz Jedrowski、Bernadette Van Huy、Giorgi Gago Gagoshidze、Avena Gallagher、Alex Esculapio、Elise By Olsen
The very first issue of Viscose tackles the expansive notion of “style.” Both a noun and a verb, style can be understood as the most basic unit or currency of fashion. Style names the very movement of aesthetics in society, and thus holds an important place in the critique of art and visual culture more broadly.
As a verb, it connotes a tactic: a dynamic tool for persuasion and communication through the bricolage of signifiers. It also relates directly to the contemporary profession of "styling;" a practice native to the fashion industry, but increasingly prevalent across the arts, media, consumerism, and politics. This issue of Viscose sets out to critically gesture to all of these connotations and their potential intermingling through concrete case studies and cross disciplinary philosophical speculation.
