OTHER PEOPLE by David Horvitz

アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス生まれのアメリカン・ジャパニーズアーティスト、デヴィッド・ホーヴィッツ（David Horvitz）の作品集。本書は顔認証ソフトウェアを用い、オンライン上で集めたデジタル写真で作られたシリーズを収録した一冊である。

作者が自身の顔の画像を元に検索をかけたところ、誤った「一致」が露わになった。つまり、見知らぬ他人（OTHER PEOPLE）の写真であるにも関わらず、AIによって作者だと間違えて認識されたのである。本書に収録されているイメージ群は、画像データベースにおける倫理的なグレーゾーンに対して問題提起しており、多くの場合被写体本人の認識や同意がないまま商用化されていることへ警鐘を鳴らしている。

本プロジェクトは、カリフォルニアの「ウェンデ冷戦博物館（Wende Museum）」のコレクションに収蔵されている、東ドイツの国境警備隊が東ベルリンと西ベルリンの境界線上に置かれていた国境検問所「チェックポイント・チャーリー（Checkpoint Charlie）」で使用していた訓練用資料に関する研究からインスピレーションを得ており、AIが普及したこの時代におけるテクノロジーとアイデンティティがいかなる意味を持つのかを探る一作である。

英語、フランス語併記。

Other People by David Horvitz is a series of digital photographs gathered online using facial recognition software. By searching with images of his own face, Horvitz uncovered mismatches: photographs of strangers mistakenly identified by artificial intelligence as him. These images raise questions about the ethical gray areas of image databases, often monetized without the knowledge or consent of those depicted. Drawing inspiration from research on training materials used by East German border guards at Checkpoint Charlie, preserved in the Wende Museum’s collection, this project explores the implications of technology and identity in the age of artificial intelligence.