愛ノ花 / AI NO HANA by Nobuyoshi Araki
日本人写真家、荒木経惟の作品集。2007年にラットホールギャラリーで開催された展覧会「愛ノ花」に伴い刊行された。
以下プレスリリースより抜粋
来たる5月17日より、RAT HOLE GALLERYでは2回目にあたる荒木経惟展を開催致します。
タイトルは“愛ノ花”。妻・陽子を喪った1990年1月27日に撮影されたコブシの花。この1枚の写真から始まり今年の命日に至るまで、さまざまな姿態と表情を浮かべる花を被写体とした膨大なモノクローム作品からの展観となります。
花々は、写真家との情交よりふたたび生まれ出で、見る者の記憶のドアをくぐりぬけ、刻々と変容を遂げつつ、彷徨いうつろう。想いの塊と化し、すでに形を喪った断片が、ひとつ、またひとつ、たちのぼりよみがえり、やわらかな光と、その襞々に棲みついた翳のなかで、ゆっくりと新たな姿を成していく。
荒木の花は、あまりに美しく、生の営みにまばゆい輝きを与え、あまりにもの狂おしく、封印した傷を暴きだす。過去と現在とまだ見ぬ未来までが、たがいに溶解し交錯し、深いカオスにからめとられる。ふとわれに返ると、せつないざわめきの余韻と、ふくよかな残り香が、胸の奥深く、繭のように包み込まれている。
一枚の写真が、刹那をこれ以上ないほどに愛おしく魅せる。そこには、世界のすべてが在る。
また本展では、最新シリーズ“KAORI LOVE”(モノクロームにペインティング)も展示致します。
by Nobuyoshi Araki
REGULAR PRICE
¥16,500
(tax incl.)