インド出身のイギリス人現代彫刻家、アニッシュ・カプーア（Anish Kapoor）の作品集。本書は、作者自身がデザインしたものであり、レポレロと呼ばれるアコーディオンのような形式を用いており、厚紙で製本されている。2011年に制作された未発表のグワッシュ作品10点を集めた本書には、元「ルーヴル美術館」現代美術部門チーフキュレーターのマリ＝ロール・ベルナダック（Marie-Laure Bernadac）による序文も寄稿されている。

本書は、作者のスケッチブックを再現しており、その支配的な色を指して「ブラック・ブック」と呼んでいる。黒とグレーで埋め尽くされ、時折、ページの端にオレンジや紫色の光が差し込むこれらの作品は、作者の彫刻作品の特徴である凹みと突出が交錯する様子を連想させる。一般にはほとんど知られていない作者のドローイング作品は、我々を魅了し、アーティストの心、そして我々自身が無意識の中で息を呑むように入りこむ感覚へと誘う。

This book, designed by the artist himself, was conceived as a leporello, a cardboard book with pages you can unfold like an accordion. Gathering 10 previously unseen gouaches made in 2011, the book also holds an introduction text by Marie-Laure Bernadac, who was in charge of the contemporary art collection at the Louvre.

This book is a reproduction of Anish Kapoor’s sketchbook, which he calls his “black book”, referring to the dominant hue. Unfamiliar to the public, Kapoor’s drawings are captivating and invites us to a breathtaking plunge into the mind of the artist and inside our own unconscious.