BOTANISCHE LEHRBRIEFE by Jochen Lempert
ドイツ人フォトグラファー、ヨヘン・レンペルト(Jochen Lempert)の作品集。ドイツの出版社「Salon Verlag」が企画するシリーズ「Edition Ex Libris」のうちの一作。「Edition Ex Libris」は、アーティストたちの「Favorite Book(お気に入りの1冊)」を復刻するアーティストブックシリーズであり、復刻した作品に作家陣が新たにデザインした表紙、もしくはカバーが施される。また、担当した作家のサインとナンバリングが書かれたオリジナルプリント(Ex Libris)が1枚付属。作家が選ぶ一冊はジャンルを問わず、医学や物理学、文学、哲学、旅行、美術史、都市計画などさまざまな分野が集まり、現在活躍しているアーティストたちの創作活動の背景を知ることができる。
作者の写真は、我々の見る習慣や「認識」をテーマにしている。一見して理解しようと思うことや、自然に思えることがすべて正しいとは限らない。その意味において、哲学者ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)の『Botanical Lehrbriefen』をアーティストのお気に入りの本として復刻したことは、ある種「擬態」のエキサイティングな例と言える。
Jochen Lempert’s photographs deal with our viewing habits and “cognition”. Not everything that we at first glance think to understand and not everything that seems natural to us is correct. In this respect, his adaptation of Rousseau’s “Botanical Lehrbriefen” for Edition Ex Libris is an exciting example of “mimicry”.