HERZOG & DE MEURON 2005-2007. THE COMPLETE WORKS. VOLUME 6 by Herzog & de Meuron [ENGLISH EDITION]

スイスのバーゼル出身建築家ユニット、「ヘルツォーク＆ド・ムーロン（Herzog & de Meuron / HdM）」の作品集。

本シリーズ『THE COMPLETE WORKS』は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンのプロジェクトにおけるスケールおよび制作プロセスの両面で変化していく姿を記録するものであり、第1巻から第6巻までで構成されている。各書は、実践の中核に最も近い位置にある、正確な一次出版物として、作品を同時代的文脈の中で提示している。

第1巻〜第3巻（1996年、1997年、2000年刊）では、よりアナログな制作手法と工程が主流を占めている一方、近年の第4巻〜第6巻（2009年、2018年、2020年刊）では、デジタルツールや設計技術への展開が明確に現れている。プロジェクトチームが選定した図版およびプロセス資料をもとに、編集チームが物語的な構成を組み立て、特定の側面を際立たせながら、プロジェクトがどのように展開していくのかを示している。

本書第6巻には、2005年から2007年までに制作された60のプロジェクトが収録され、実践が成熟の極みに達した段階を浮かび上がらせている。設計は、建築的手法の全領域を横断し、同時代の動向に対して多様な解答を提示するものである。小規模な個人住宅の改修から、スタジオの集合体、集合住宅タワー、さらには都市デザインに至るまで、各計画はそれぞれの敷地との関係性を精緻に深化させている。

これらの設計において、作者はあらためて新たなプロセスを展開し、古典的モダニズムへの参照と同時に、自身のこれまでの作品群との連関を構築している。建築は、ますます仮想化が進む世界において、物理的な存在感と安定性を与える手段として位置づけられている。

The sixth volume of the complete works of Herzog & de Meuron covers the years 2005 to 2007. The book presents 60 projects, which show the architects at the height of their powers.

Their designs encompass the full range of architectural devices and respond to contemporary developments with a wide range of solutions – the designs refine the interaction with the respective site, with projects ranging from a small private conversion project to a studio ensemble, through to residential towers and urban design projects.

For their designs, Herzog & de Meuron again develop new processes and create references to classic modernism just as to their own oeuvre. Architecture becomes a means of providing physical presence and stability in an increasingly virtual world.