ドイツ人実業家であり作家、アートコレクターのハンス・ルドルフ・ヨースト（Hans Rudolf Jost）による作品集。2024年12月から2025年4月まで、スイスのアート・プラットフォーム「WhiteSpaceBlackBox」で開催された展覧会に伴い刊行された。作者は同機関の創設者、主宰者でもある。

作者は、本書のタイトルとなっている疑問「世界で最も重要なアーティストは誰？（WHO'S THE MOST IMPORTANT ARTIST IN THE WORLD?）」に対する答えを見つけるため、アブダビ、アムステルダム、アテネから東京、ウィーン、チューリッヒをはじめとした世界中の都市を訪れ、この疑問に関係すると思われるありとあらゆる全ての美術館を再訪する旅に出た。どうやら、アート市場で最も知られざる秘密のひとつは、世界中のほとんどすべての美術館でこの品を見ることができる、とある「名もなきアーティスト一家」であるようだ。この一族の成功の秘訣は、彼らの作品がどこにでもあるという、見落としがちな現実である。この芸術家一家に関する我々の知識不足は、彼らの芸術的な特性である赤という色の壮大さ、明瞭さ、勢い、唯一無二の独特さによって補われているのである。

In search of the answer to the question posed by this book’s title, Hans Rudolf Jost set off to revisit all the relevant museums in cities around the world, from Abu Dhabi, Amsterdam, and Athens to Tokyo, Vienna, Zurich, and everything in between. Apparently, one of the art market’s best-kept secrets is an unknown family of artists whose objects appear in almost every museum in the world. Highly disparate in their output, the measure of this family’s success is the overlooked reality that their works are found everywhere. Our lack of knowledge about these artists is made up for by the grandeur, clarity, vigour, and uniqueness of their artistic signature, which is the colour red.