TRIP by Susan Lipper

アメリカ人フォトグラファー、スーザン・リッパー(Susan Lipper)の作品集。その名を世に知らしめた処女作「GRAPEVINE」(D.A.P.,1994)に続く作品集として1999年に刊行。作家のフレデリック・バーセルミ(Frederick Barthelme)の短いテキストが各イメージに添えられ、アメリカ内のロードトリップを架空の物語として綴ったコンセプチュアルかつ意欲的なシリーズ。一体いつどこから旅立ちどこで終わったのかも明かしておらず、わずかに日付が写真の中から読み取れるのみである。よく見る風景でもなければ全く見たことがないわけでもない景色が提示され、撮影のためにセッティングされたシーンなのかたまたま見つけたものなのかもわからないまま、説明文やその土地特有の物も写っていない状態で鑑賞者は作品を見せられる。一見すると事実に基づいたような看板やシンボルと共にそれぞれのイメージが記号論的に共演しており、本来の意味が読み取れるように思わせているが、実際のところ本書においてどのような意味を持つのか分からない。本作は、ドキュメンタリーそのものをアプロプリエートしているのである。後書は、キュレーターであるマシュー・ドルイットが寄稿。

Trip is celebrated Grapevine photographer Susan Lipper's new, conceptually ambitious artist's book: an assembled narrative of a fictional road trip in America, destination and starting point unknown. Adrift. The date is the present, but only slightly so. The viewer is cast without aid amongst snatches of text and vernacular objects, staged or found, that render the landscape neither familiar nor foreign. Semiotic interplay is introduced with seemingly objective signs and symbols, readable in a traditional sense, yet…what meanings do they serve here? Re-appropriating the documentary.

by Susan Lipper

REGULAR PRICE ¥5,280  (tax incl.)

hardcover
112 pages
286 x 248 mm
black and white
1999

published by POWERHOUSE BOOKS