長谷川逸子の思考 (SET) by Itsuko Hasegawa

日本人建築家、長谷川逸子の作品集。同タイトル全4巻を一堂に函に納め、特別付録として冊子が付属したセット。

我々の身体の感受性を基点に、ひらかれたコミュニケーションを通じて、 明るく柔らかい空間をつくり続けて来た建築家・長谷川逸子。 半世紀におよぶ思考の軌跡を論考・作品解説・講演・インタビューのみならず、 対談や鼎談、多木浩二らによる批評をも組み込んだ著作集の函入り全巻セット。ビブリオグラフィと作品掲載誌一覧が掲載された冊子が本セットに付属する。 

第1部 アーキペラゴ・システム 新潟りゅーとぴあ(1993-2016)

ITSUKOは、自然と幾何学との合体に挑戦した、勇気あるチャレンジャーである。──隈研吾
日本の女性建築家の道をしなやかに力強く切り開いてきた。その建築に真摯に向かう姿は清く美しい。──永山祐子
時代の転換点にいつも長谷川逸子の建築があることに驚く。──藤村龍至

長谷川逸子の思考」第1部では「新潟市民芸術文化会館」をめぐる論考、対談やインタビュー、エッセイ、多木浩二や小嶋一浩らの批評などを集成。動線計画から植栽、外周部の太陽光に反応して作動するオーニング、空間のボリュームから手摺りにいたるまでさまざまな工夫が詰め込まれたコンサートホールなど、技術的にも空間的にも長谷川建築の頂点をなし、開館以来の高い稼働率と専属ダンスカンパニーNoismの活動でも知られるこの大型文化施設の経験の全貌を伝える。多数の写真に加え、巻末には本巻関連作品の概要図面を付す。
公共とはなにか。市民参加とは何か。グローバリズムにいかに対峙すべきか。1993年に実施されたコンペによって始まった「新潟市民芸術文化会館(新潟りゅーとぴあ)」の経験には、専門技術的な事柄にとどまらず、ひろく私たちの現在に直接つながるいくつもの論点を見いだすことができる。

第2部 はらっぱの建築 持続する豊かさを求めて(1993-2016)

長谷川逸子は住宅作家ではない。日本最初期の女性建築家である。その言葉も感覚的でありつつ、現代社会への鋭いクリティークとなり得ている。──伊東豊雄
「長い距離」「ガランドウ」「第二の自然としての建築」。気が付くと長谷川逸子の言葉を脇に抱えている。そんな建築家は、私以外にも実は沢山いるのではないだろうか。──藤原徹平
相対立するもの、矛盾するもの、そして自然すらも排除しない。力強く、やさしく、寛容な建築を目指して、長谷川さんは皆とともに前へ進んでいく。──大西麻貴

長谷川逸子の思考」第2部では、大型プロジェクト「新潟市民芸術文化会館」(第1部参照)と同時進行していた公共建築と集合住宅をめぐるテキストを収録。ゲリラ的な市民ワークショップの実施など踏み込んだ運営プログラムづくりを展開した「すみだ生涯学習センター」や「大島絵本館」。竹かごのように空間を包む3つの鉄骨ドームがコミュニケーションを誘発する「山梨フルーツミュージアム」。コミュニケーション装置としてのスロープをめぐらせ共同体意識を再構成する集合住宅のプロジェクト(「熊本市営託麻団地」「長野市今井ニュータウン」)。
多様な作品をテーマに書かれた論考やインタビュー、坂本一成・松永安光らとの対話や、多木浩二らの批評から、作者が一貫して掲げて来た「はらっぱ」のイメージが描く、祝祭空間と日常が緩やかにつながる建築の理想の姿が見えてくる。

第3部 第2の自然 湘南台文化センターという出来事(1985-1992)

「市民の公共空間をつくる」。この当たり前を実現する発想の数々は、依然として新鮮さを失っていない。──小渕祐介
長谷川逸子の建築を、ポストモダニズム的な記号群ではなく、いま私たちは勝手気ままに振る舞う個性豊かなモノたちの集いとして見ることができる。──平野利樹
物語を丁寧に紡ぎ出し、意志を貫く力強い姿に感銘を受けました。──能作文徳

長谷川逸子の思考」第3部では1990年3月竣工の「湘南台文化センター」をめぐる論考や対談、インタビュー、多木浩二らによる批評などを集成する。若い世代にも開かれ、個人事務所でも応募可能な公共建築コンペとして、数多くの建築家が参加したときから注目されたこのコンペで最優秀賞を獲得したのは、「地形としての建築」をうたい、やがて「第2の自然」に収斂されるコンセプトを掲げた案だった。球儀の市民ホールや地下に埋蔵した公民館が発表当初から注目を集め、繰り返し開催された市民との対話集会が賛否の的となったこのプロジェクトは、建築の世界を超えて話題を集め、その後の時代に影響を与えることになる。以後、公共建築に数多く取り組むことになり、長谷川建築の転機ともなった80年代後半から90年代にかけての実践と思考を多角的に伝える。多数の写真に加え、巻末には本書関連作品の概要図面を付す。

第4部 ガランドウ・生活の装置 初期住宅論・都市論集(1972-1984)

日本のすまいと人々の声ならざる声に耳を澄ましつづける長谷川逸子の建築には、いま学ぶべきことが詰まっている。──門脇耕三
建築の行き過ぎた産業化・施設化に対する素朴な疑問と、男社会の心性をさらりと暴く批評が深いところで重なっている。だからいつでも、どんな場所でも、当事者としての凄みがある。──塚本由晴
その時は周縁に見えていたものが、時が経つと実は中心であったことを知る。──北山恒

長谷川逸子の思考」第4部では自作の設計をはじめた1970年代初頭から、自らの設計事務所を設立し、都市的な規模の建築を手がけはじめる1980年代半ばまでに書かれた論考、講演録、対談、加えて多木浩二による批評などを収める。菊竹清訓の事務所を辞した後、東京工業大学の篠原一男研究室に所属、設計を補佐するかたわら、やがて自作の設計をはじめる。芸術としての建築から意識的に距離を取り、生活の複雑さを引き受け得る空間を目指した初期の住宅をめぐるテキストの数々は、当時の張り詰めた緊張感を伝える。後半には菊竹清訓、篠原一男との貴重な対談、証言を収録。多数の写真に加え、巻末に本書関連作品の概要図面および長谷川逸子年譜を付す。

by Itsuko Hasegawa

REGULAR PRICE ¥11,880  (tax incl.)

ISBN: 9784865282283

4 softcovers in a box

1,340 pages in total
- vol.1: 352 pages
- vol.2: 342 pages
- vol.3: 340 pages
- vol.4: 306 pages

155 x 218 mm each
black and white
2019

published by ITSUKO HASEGAWA ATELIER

published by SAYUSHA

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