CALLED HOME by Larry Clark
アメリカ人映画監督でフォトグラファー、ラリー・クラーク(Larry Clark)の作品集。
製作総指揮にガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)、当時19歳であったハーモニー・コリン(Harmony Korine)が脚本を担当し、作者にとって映画監督デビュー作となった映画作品『KIDS/キッズ』(1995年、日本での公開は1996年)。ニューヨークで1日中、大人の監視のない中で、スケートボード、パーティ、避妊なしのセックス、ドラッグに明け暮れるティーンエイジャーたちの生活を観客に見せつけ、全米で大ヒットを記録した。
本書は、作者がこの映画の監督を務めていた1992年から1995年に撮影した写真のアーカイブから作られた一冊である。ありのままに写し出された1990年代のニューヨークは、ある意味神話化された瞬間であったと言えよう。当時のニューヨークの若者の生活をリアルに描くため、作者はダウンタウン、特にロウアーマンハッタンの「ワシントン・スクエア・パーク(Washington Square Park)」でスケーターたちと何年も一緒に過ごした。その中で、作者は18歳のハーモニー・コリン、演技経験の有無にかかわらずキャスティングされた多くの俳優たちと出会う。
彼らはのちに、スケートボード、アート、ファッション、アンダーグラウンド・カルチャーの未来を形作ることとなる。ジャスティン・ピアース(Justin Pierce)、ハロルド・ハンター(Harold Hunter)、クロエ・セヴィニー(Chloë Sevigny)、レオ・フィッツパトリック(Leo Fitzpatrick)、ジェフ・パン(Jeff Pang)、キース・ハフナゲル(Keith Hufnagel)、ハビエル・ヌニェス (Javier Núñez)、今でも街にこだまするようなエネルギーを体現した面々がキャリアをスタートさせた瞬間がそこには写る。
あれから数十年が過ぎても、この時代の精神は残る。人々、街並み、振る舞い......そのすべてがニューヨークと世界のカルチャーに歴史を刻んだ。
この本を、今日ここにいない人々の愛すべき思い出に込めて。
2025年10月、本作のリバイバル上映が決定している。
This book is a collection of photographs from Larry Clark’s archives, captured during the time he was directing Kids. These images offer an unfiltered look at 1990s New York City, a moment in time that has since become mythologized. What began as snapshots of a downtown scene would go on to document the early lives of individuals who shaped the future of skateboarding, art, fashion, and underground culture. Justin Pierce, Harold Hunter, Chloë Sevigny, Leo Fitzpatrick, Jeff Pang, Keith Hufnagel, Javier Núñez; figures who embodied an energy that still echoes through the city today.
While decades have passed, the spirit of that era remains. The people, the streets, the attitudes - all left a permanent imprint on New York and global culture.
In loving memory of those not here today.