ベルリンを拠点に活動するスウェーデン人アーティスト、ニナ・カネル（Nina Canell）の作品集。本書は、2018年にスイスの「ザンクト・ガレン美術館（Kunstmuseum St. Gallen）」で開催された展覧会に伴い刊行された。切断されたケーブル、エネルギー学、ベタつく廃棄物など、核となる主題を行き来し、過去5年間で制作された作者の彫刻作品を集約した1冊に仕上げられている。

本書は、時差のある対話と3編の新たな文章によって終始中断される。ベルリンに拠点をおく評論家のマーティン・ハーバート（Martin Herbert）は切り株のような海底ケーブルの断面と隙間の生成能力を考察し、アメリカ人キュレーターのジェニファー・ティーツ（Jennifer Teets）は柔らかくなったタイヤとベタベタとする過程を考え、スウェーデン人アーティストのロビン・ワトキンス（Robin Watkins）はゆっくりと進むリアルタイムなコラボレーションを取り上げている。図版は緩やかな時系列でまとめられ、展覧会の風景が織りなす並行的な軌跡は、作者が物質的な関係の構成と崩壊に現在も関心を寄せていることを強調している。

EXHIBITION:

森美術館開館20周年記念展
私たちのエコロジー：地球という惑星を生きるために
会期：2023年10月18日（水）- 2024年3月31日（日）
休館日：会期中無休
時間：10:00-22:00（※火曜日のみ17:00まで）
開催場所：森美術館
詳細

Cable cuts, energetics, and gunk: moving back and forth between a group of core subjects, Reflexologies converts the past five years of Nina Canell's sculptural work into a 384-page book.

It is interrupted throughout by a lagged conversation and three new texts: Martin Herbert reflects on subsea cable stumps and the generative potential of gaps; Jennifer Teets considers flexible pneus and viscous processes; while Robin Watkins tackles a slow real-time collaboration. Images have been grouped in a loosely chronological sequence, allowing exhibition views to fold out into parallel trajectories that foreground Canell's ongoing preoccupation with the configuration and breakdown of material relations.