UNITS by Seth Lower
アメリカ人フォトグラファー、セス・ロウアー(Seth Lower)の作品集。1994年から2017年にかけて撮影した写真を収録。何枚かでセットになっているものや、ものの一部分、あるいは同じものがいくつも並ぶものなど、多種多様で日常的な素材や状況が描かれている。こうした風景の中で作者は、ものを測る際の基準、重要性、実在と体験の境界についての曖昧な問いかけなど、何らかの完全性、あるいはその欠如を探し出す。木の幹に覆いつくされた看板、並んでいる沢山の漏斗、眩しい太陽の下で売りに出されている調理台。どこで1つの単位が終わりどこから別の単位が始まるのだろうか。当然、2つの世界に片足ずつを突っ込んで、全体の一部でありながら同時にそこから隔てられているという状態はあり得る。しかし、このことはものの単位それ自体について我々に何か教えてくれるのだろうか。それともただ、我々がどうやってこれらを定義しているかを示しているだけなのか。アメリカ合衆国の哲学者、グレアム・ハーマン(Graham Harman)は、このようなピースが「終着点、より大きなシステムに半分埋もれているにも関わらず、その土地だけのアイデンティティを保持している閉ざされた区域」であると書いている。
Units contains photographs taken from 1994-2017. The images depict a variety of everyday materials and situations, many seen in sets, parts, or multiples. Within such scenes, Lower seeks out a kind of integrity (or lack thereof): standards of measurement, materiality, vague questions about the boundaries of entities and experience. A sign swallowed by tree bark, a small collection of funnels, a stove for sale in the sunshine. Where does one unit end and the other begin? It is certainly possible to be part of the whole and at the same time separate, existing with a foot in both worlds, but does this say anything about the units themselves, or only the way we define them?
Graham Harman writes that such pieces are ‘terminal points, closed-off neighborhoods that retain their local identity despite the broader systems into which they are partly absorbed’.