プレオーダー *10月入荷予定

日本人写真家、木村和平の作品集。

近年取り掛かっているシリーズ『石と桃 (英題: counterpoint)』の写真の多くは、パートナーとの旅行で訪れた老舗のホテルで、コンテに応じてセットアップで撮影しています。本作『IRON RIBBON』は、その制作のあいまに、ふいに撮影した写真を中心に構成されています。私たちはクラシカルなホテルが好きで、旅行先をどこにするかはその街に好みのホテルがあるかどうかで決 まります。名所や食事、風景よりも、ホテルが優先なのです。

まだ写真をはじめる前のこと、ファッションに夢中だった10代のころに、通っていたセレクトショップでひとつのチョーカーと出会いました。それは鉄でできたリボンでした。言葉のまま、鉄をリボンの形状に曲げてチョーカーに仕上げられたもので、中場信次さんの作品でした。見た目はしなやかで可愛らしいのに、触ると硬く、鋭利で、冷たい。その頃の私にとってはとても高価なものでしたが、その相反する性質の共存に強く惹かれ、迷うことなく購入しました。

10代のころに購入したものの中には、好みが変わっていく過程で手放してしまったものも多くあります。けれどこの鉄のリボンは手放すという選択肢はなく、大切に手元にのこしています。手にした時からずっと、同じ熱量で好きだからです。

私のパートナーは、鉄でできたリボンのようなひとです。彼女の長い髪と、静かな背中をみているとそう思います。普段はほんわかとマイペースに見えますが、いつだって冷静で、独自の品と意思の強さがあります。その性質の共存に、私は惹かれているのです。

EXHIBITION & TALK:

木村和平 | Kazuhei Kimura「IRON RIBBON」
会期：2024年10月3日（木）- 10月21日（月）
休廊日：火曜、水曜
時間： 12:00 - 19:00
開催場所：book obscura
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Special Talk Event 「IRON RIBBON」
日程：2024年10月12日（土）
時間：19:30 - 21:00
場所：book obscura / 同店 YouTubeチャンネル
登壇：木村和平（写真家）/ 黒﨑由衣（book obscura 店主）
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Available for pre-order now. *It will be shipped in October

Iron Ribbon by Kazuhei Kimura (b. 1993, Japanese) is composed of photographs taken over the past few years of his partner while in and around tradition-rich hotels between various photographic productions. With an affinity for long-established hotels, each destination was defined by the type of hotel, rather than its attractions, local cuisine and scenery.

As a teenager, preceding any photographic endeavors, Kimura’s devotion to fashion led his curiosity to a choker made by the Japanese jewelry designer Shinji Nakaba: a ribbon made of iron. At first glance, it appeared flexible and pleasant, but to the touch it was dense, incisive and frigid—the coexistence of such opposing qualities attracted him. Despite its significant price, it was bought without hesitation.

With changing tastes and preferences, Kimura never parted with the iron ribbon and has given it unconditional affection ever since it was obtained. At present, Kimura sees a commonality of the iron ribbon with his partner; of her long hair, her quiet back, as well as her own unique elegance and strength of will.