AS THE SKY REMEMBERS THE SEA by Lore Stessel
ベルギー人アーティスト、ローレ・ステッセル(Lore Stessel)の作品集。何が人をその動線に導き、次の動線へと向かわせるのだろうか。 作者は、写真と絵画の接点を探求する。作品では、人間の身体とその周囲の環境との間に内在する緊張関係が繰り返しテーマとなって いる。つまり、動こうとする衝動が外部環境との接触によってどのように形作られるかということである。本作では、作品の中にあるダイナミズムと小さなしぐさを通して、内面と外面の相互関係の間にある曖昧な道筋をなぞると同時に、とらえた小さなしぐさや動きの中に存在する他者への信頼を明らかにしていく。自己から湧き出る衝動は、外部環境との接触によってさまざまな方向に形作られる。 人間の肉体、そして環境との緊張関係の探求は、彼女の作品制作において繰り返し取り上げられるテーマである。 また被写体においてだけでなく、写真と絵画の接点を探究する制作プロセスにおいても、身体性は重要な位置を占めている。作者は暗室で、あらかじめ大判キャンバスに感光乳剤を塗り、特定の部分に現像液をかけることで、アナログプリントのプロセスを操作している。こうして、作者の中にある写真家と画家の両側面が出会い、互いに影響し合い制作が行われている。また、この物理的な制作過程において、彼女は意識的に「偶然のもの」や「予期せぬもの」を受け入れる余地を作っている。本作では、「信頼」や「儚さ」、内面と外面との相互関係における移り変わりの複雑さが同時に浮かびあがるだろう。
What directs us to that movement and then to the next line of flow?
Lore Stessel, based in Brussels, Belgium, is an artist who explores the interface between photography and painting. The inherent tension between the human body and its surroundings has been a recurring theme in her works – how the impulse to move is shaped by contact with the external environment.
In this dynamic collection of photographs, “As the Sky Remembers the Sea”, Stessel allows us to perceive the idiosyncratic traits of her subjects, to witness the muted gestures of their energetic bodies, and to trace the subtle path between their inner intentions and outer interactions.
Her working process is as physical as her subjects, who she renders, through photography and painting, onto life-size canvases. Through her soft works, we see how our movements are directed by the interaction between ourselves and others – always shifting and evanescent.