ARCHITECTURAL WORKS BY OFFICE FOR THE 21ST CENTURY by OFFICE
ブリュッセルの建築事務所、オフィス(OFFICE)による作品集。同事務所は、ベルギー人建築家のケルステン・ギアズ(Kersten Geers)と、同じくベルギー人建築家のダヴィッド・ファン・セーヴェレン(David Van Severen)によって2002年に創設され、実現と理論的プロジェクトが並立する独特な建築で知られている。プロジェクトは直接的・空間的であり、かつ建築理論に堅実に根ざしている。
本書は、同事務所のアーカイブ資料に基づく批判的分析を通じ、プロジェクトを紹介する。さらに、彼らが持つ創造的な原則が新たな世代の建築家へと与えた影響を再構築する一冊となっている。
2000年初頭に始まった同事務所のプロジェクトは、文化的な関与が見られるデジタルコラージュの新たな形態として注目を集めた。本書の執筆を手がけた、イタリア人建築史家のロベルト・ガルジャーニ(Roberto Gargiani)は、制作初期に生まれた発想を表現した紙の建築物が、現在実際に在る建築物の大きなスケール感と存在感に進化するまでの過程を辿っている。本書の根底にある主張は、あらゆるプロジェクトにおいて現れる理論構造の火花のような才気を保つ能力の高さであり、それはほとんどの場合において厳格な経済的手段に従って遂行されている。公共機関のために制作する新しいモニュメントでさえも、過剰な優位性の創造的緊張感によって照らされ続けている。
本書の執筆は、イタリア人建築史家のロベルト・ガルジャーニ(Roberto Gargiani)が手がける。建築の歴史を教えるため、イタリアのフローレンス、フランスのルーアンとパリ、イタリアのヴェネツィアとローマで教鞭を執り、現在は「スイス連邦工科大学ローザンヌ校(Ecole polytechnique fédérale de Lausanne)」で建築と建設の歴史の教授を務める。
‘Architectural Works by OFFICE for the 21st Century’ presents the OFFICE projects through a critical analysis based on archive documents. It also reconstructs the influence of OFFICE’s creative principles among the new generations of architects.
The OFFICE projects appeared in the early 2000s and gained prominence as new forms of digital collage with a cultural engagement. The author traces the evolution of their early ideas developed as paper architecture to the current buildings of a significant scale and presence.
The underlying argument of the book demonstrates OFFICE’s ability to preserve in every project the spark of a theoretical construction, which in most cases is carried out according to a rigorous economy of means. Even the new monuments for public institutions continue to be illuminated by a creative tension of radical superiority.