MARTIN MARGIELA AT LAFAYETTE ANTICIPATIONS by Martin Margiela
パリのギャラリー、ラファイエット・アンティシパシオン(Lafayette Anticipations)で2021年10月から開催された「MARTIN MARGIELA(マルタン・マルジェラ)」展の展覧会図録。
オランダ人グラフィックデザイナー、イルマ・ボーム(Irma Boom)とラファイエット・アンティシパシオン(Lafayette Anticipations)編集チームの協力のもと、メゾン・マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)創設者のマルタン・マルジェラ本人が全面的に監修。展覧会の作品制作の全行程が350ページにわたって詳細に記録されている。
展覧会で披露された作品図版に加え、マルジェラ自身が制作中に撮影したいわゆる「メイキング」写真が交互に配置されている。マルジェラによるリサーチやインスピレーションはもちろん、ラファイエット・アンティシパシオンの母体となるギャラリーラファイエット現代美術財団(Fondation d’entreprise Galeries Lafayette)設立以来最も重要なプロジェクトを遂行した財団チームとマルジェラがこの展覧会にどれほど打ち込んできたかを見ることができる。
どんな時もオーディエンスの度肝を抜く方法を知っているマルジェラらしく、本書にはいくつものサプライズが用意され、さながらワークショップのようでもあるこの一冊の中に収録されているテキストは、マルジェラ作品を分脈の中で読み解き、作品1つ1つの側面をより深く理解する助けとなる。
美術史家であるクリス・デルコン(Chris Dercon)は、マルジェラのアシスタント時代や最初の作品、ファッションデザイナーとして活躍するようになってからのアーティストとしてのアプローチを振り返り、同じく美術史家のフリードリヒ・メシェデ(Friedrich Meschede)は、マルジェラのアプローチにおけるセレンディピティの重要性を強調する。ギャラリーのディレクター、フランソワ・クインティン(François Quintin)は、マルジェラの作品に込められたこだわりに注目し、美術史家であり本展のキュレーターを務めたレベッカ・ラマルシュ=ヴァデル(Rebecca Lamarche-Vadel)は、展覧会の各段階とその目的を辿り直す。また、マルジェラとアーティストのバルタザール・ローリー(Balthasar Laury)とのインタビューでは、12歳の子供の目を通じていくつかの作品が紹介されている。掲載写真は、マルジェラ本人のほか、ピエール・アントワン(Pierre Antoine)が担当。
※カバー 及び 内部に貼り付けられているポストイットは、書籍仕様の都合上多少の折れがございます。あらかじめご了承ください。
記事:マルタン・マルジェラ、アーティストとしての顔を追う(BRUTUS)
This book shows the research and inspiration of Martin Margiela as well as his investment alongside the Foundation teams who have carried out their most important production project since the opening of the Foundation.
Conceived as a real workshop book, the catalogue includes several surprises, as Martin Margiela has always known how to reserve for his public. The texts put the artist in context and give a better understanding of each aspect of his work.
Chris Dercon recalls his training, his first works and his approach as an artist during his years as a fashion designer, Friedrich Meschede insists on the importance of serendipity in his approach, François Quintin focuses on several of Martin Margiela's obsessions within his work and Rebecca Lamarche-Vadel retraces the stages and objectives of this exhibition project.
An interview between Martin Margiela and Balthasar Laury shows some of the works through the eyes of a twelve-year-old child.
Please note: the cardboard cover and the Post-its which are inserted into the book have slight wrinkles due to the shrink-wrapping and the production.
Irma Boom (Instagram)