ベルギー人フォトグラファー、エイリアン・クリスティアンス（Arian Christiaens）の作品集。作者は写真や家族の眼差しについて考察し、写真の場を取り戻すという構想に共鳴を呼ぶように、家族のイメージや写真といったジャンルを再文脈化している。家族、写真、ジェンダーに基づく物語が、写真イメージの物質的なアイデアと重なり合う、多層的な作品​​に仕上がっている。 本作では、作者が自身の関係、アイデンティティ、イメージを両親のイメージと並べて比較対照としている。そうすることで、従来の男女の関係や、写真家と被写体（モデル）の関係に対し、時間の経過とともにまた作者自身の家族の歴史の中で問い直している。これは、異なる時代における異なる視点、類似点と相違点のことである。カメラの目を通して、自分自身や自分の身体、愛する人、そして他者を見つめることである。また愛する人の眼差し、アーティストの眼差し、鏡に映る眼差しなど、これらの眼差しが持つさまざまな層や歴史を探り、それらがどのように私たちのアイデンティティを形作っているのかを、自分の中と他者を通して探求することなのである。

With ‘In Camera’ Christiaens juxtaposes her own relationship, her own identity and her own images with those of her parents. In doing so, she calls into question the traditional relationship between men and woman and between photographer and model, both over time and within her own family history. Gazes cross and are reflected within the image, outside the image and through the image. It’s about different perspectives in different times, about similarities and differences. It’s about looking at ourselves, our bodies, our loved ones and others trough the eye of the camera. About exploring the different layers and histories these gazes hold—the gaze of the loved one, the gaze of an artist, the reflected gaze in the mirror—and how they help shape our identity, both within ourselves and through the other. (Stefan Vanthuyne)