CALDER: NONSPACE by Alexander Calder
アメリカ人アーティスト、アレクサンダー・コールダー(Alexander Calder)の作品集。2018年10月から2019年1月にかけて、ロサンゼルスのギャラリー「ハウザー&ワース(Hauser & Wirth)」で開催された展覧会に伴い刊行された。本書のタイトルは、アメリカ人小説家ジェームズ・ジョーンズ(James Jones)が1963年に著したエッセイの内容から由来しており、フランス、サッシェにある作者のスタジオで一連の大規模彫刻作品に出会ったのちに書いたものだという。本書にも再録されたこのエッセイの中で、ジョーンズは作者が持つ建築や自然環境への深い洞察を鋭く描いており、その記述は、作者の彫刻作品を取り巻く世界に対する鑑賞者の理解を改めて整理させる。
本書はロサンゼルスでのインスタレーションを記録することで、作品の碑的視点をそのアングルから掘り下げることができる。ニューヨークを拠点とする日本人建築デザイナーであり、長年「コールダー財団 (Calder Foundation)」とも協力を行ってきた後藤ステファニー(Stephanie Goto)が展覧会の環境デザインを手掛けており、その中で織りなされる30点以上のスタビル、モビール、スタンディング・モビール、そして壮大なスケールの屋外彫刻5点で本書は構成されている。
あわせて後藤は、環境デザインによって、クラシックなギャラリーを統一された鑑賞体験に変えることを記したエッセイを寄稿。ヴィジュアルアート評論家でありキュレーターのアンドリュー・ベラルディーニ(Andrew Berardini)によるエッセイでは、作者の作品において、空間が芸術によって変貌する瞬間を考察する。
EXHIBITION:
カルダー:そよぐ、感じる、日本
会期:2024年5月30日(木)- 9月6日(金)
休館日:6月4日(火)、7月2日(火)、8月6日(火)
時間: 10:00 - 18:00(金/土/祝前日 10:00 - 19:00)
開催場所:麻布台ヒルズ ギャラリー
詳細
Calder: Nonspace takes its title from a 1963 essay by American novelist James Jones, written after his encounter with a series of large-scale sculptures at Alexander Calder’s studio in Saché, France. In his essay, reprinted in this book, Jones astutely describes Calder’s deep understanding of architectural and natural environments, which enabled him to reorder a viewer’s perception of the world surrounding his sculptures.
This catalog explores this angle on Calder’s monumental vision by documenting an installation at Hauser & Wirth Los Angeles. It consists of more than 30 stabiles, mobiles and standing mobiles woven through a specially designed environment created by New York architectural designer Stephanie Goto (whose projects include the New York restaurant Piora and the apartment of chef Daniel Boulud), along with five large-scale works set outdoors.
Goto also contributes an essay that explores the transformation of a classical gallery into a unified experience, and an essay by Andrew Berardini looks at the moments in Calder’s work where space is transformed by art.