BLACK CHAPEL - SERPENTINE PAVILION 2022 by Theaster Gates
アメリカ人アーティスト、シアスター・ゲイツ(Theaster Gates)の作品集。2022年夏、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで、作者がデザインを手がけた第21回目の夏季限定パビリオン「ブラック・チャペル(Black Chapel)」を収録した一冊。
2022年6月に公開された「ブラック・チャペル」は、作者の活動の基盤となっている建築のタイポロジーの多くから着想を得ている。本パビリオンについて、作者は「器」、つまり「瞑想と集会」のための空間だと語っている。黒く染色した合板で作られたサイロの形は、陶器の里として知られるイギリスの都市、ストーク・オン・トレントの製陶窯や、アメリカ西部の蜂の巣の形をした炭窯、カメルーンのムスグム族の泥小屋などアフリカの伝統的な建造物をインスピレーション源としている。
本書は、ニューヨークを拠点とするグラフィックデザイナー、ジョセフ・ローガン(Joseph Logan)により装丁が施され、建築、アート、音楽の各分野から作者のパビリオンと幅広い活動を考察する新しい文章が集められている。また、パビリオンの写真、タールペインティング、鐘の彫刻のほか、パビリオン公開期間中に開催されたライブ・イベントの記録写真も収録している。本企画のパブリック・プログラムでは、実験的な音楽パフォーマンスから、聖歌隊やワークショップまで、聖なるものを中心とした、瞑想空間を提供する内容であった。
本パビリオンのデザインに影響を与えた作者の過去の作品やプロジェクトの紹介とともに、作者が蒐集した場所、建物、オブジェ、儀式などのイメージ群から、「ブラック・チャペル」のデザインのプロセスや作者の実践を垣間見ることができる。
EXHIBITION:
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
会期:2024年4月24日(水)- 9月1日(日)
休館日:会期中無休
時間: 10:00 - 22:00
開催場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
詳細
Richly illustrated and designed by New York-based designer Joseph Logan, this publication brings together new writing from the fields of architecture, art and music to reflect on Gates’ Pavilion and his wider practice.
The publication includes images of the Pavilion, tar paintings and bell sculpture, as well as the visual documentation of live events that took place in the Pavilion over the summer months and ranged from experimental musical performances to choirs and workshops that centred the sacred offered a space for reflection and convening.
A collection of images compiled by Theaster Gates of places, buildings, objects and rituals, alongside images of the artist’s past works and projects, which have influenced the design of the Serpentine Pavilion 2022 Black Chapel, give an insight into the design process and the artist’s practice.