STUDIO MARCONI 1966–1980: AN ANTHOLOGY by Giorgio Marconi
イタリア人ギャラリスト、ジョルジオ・マルコーニ(Giorgio Marconi)の作品集。1960年代、好景気の絶頂の中で作者は「スタジオ・マルコーニ(Studio Marconi)」をタディーノ通り15番地に開廊し、ギャラリストとしてのキャリアをスタートした。展覧会のためのスペースであると同時に、若きアーティストや研究者、評論家、コレクターなどが集い、当時の芸術的状況、もしくは芸術とは関連のないことも議論する場でもあった。こうした意見交換をきっかけに「スタジオ・マルコリーニ」は継続的な出版プロジェクトの可能性を抱き、編集者としても活動し始めた。本書は、当時ギャラリー開廊10周年を記念して出版された『Decennale dello Studio Marconi 1966/76』全編と、2種の定期刊行物、一つは新聞紙に印刷されたタイプの雑誌、もう一つは小さな冊子状のものを紹介し、その歴史を辿る。刊行誌は、現在世に出ている多くの美術雑誌の前身とも言える存在である。
ロンドンの「Serpentine Galleries」でアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)による、アーティストのヴァレリオ・アダミ(Valerio Adami)へのインタビューで本企画の分析を補完する。英伊併記。
作者は当時医学の道を断念し、父が営んでいた額縁工房の代わりとしてギャラリーをオープンさせた。1930年代のイタリアの主要な芸術家たちの額制作を請け負う職人であった父のおかげで、今や歴史上に名を連ねる芸術家たちと知り合うことができた。また、ロンドンを頻繁に訪れ、現地の著名な画商やアーティストらと密な関係を築いた。定期刊行物の制作なども伴い、「スタジオ・マルコリーニ」は個人運営のギャラリーというよりも美術館のような空間を持つようになった。作者は、マン・レイ(Man Ray)やルイーズ・ネヴェルソン(Louise Nevelson)など、ミラノで活躍した多くの主要アーティスト達と固い友好関係を築き、イタリア国内外で数多くの展覧会のキュレーションや告知に大きく貢献した。1992年に「スタジオ・マルコーニ」が閉廊した時、ギャラリーは180以上の展覧会を開催していた。2004年に「マルコーニ財団(Fondazione Marconi)」を設立し、アーティストとのコラボレーション、作品の管理、関係機関との協力、イタリア国内外での重要な展覧会のプロモートなどを続けている。
During the height of the economic boom of the 1960s, Giorgio Marconi began his career as a gallerist by opening Studio Marconi in via Tadino 15, a space for exhibitions and a meeting point for young artists, intellectuals, critics, and collectors who gathered to discuss the artistic and non-artistic landscape of the time. From these exchanges of ideas, Studio Marconi began to conceive the possibility of a periodic publication project, becoming an editor as well. This volume presents the complete publication of Decennale dello Studio Marconi 1966/76, produced for the gallery’s tenth anniversary, as well as two other types of periodic publications: magazines printed on newsprint and small notebooks/bulletins, thus retracing years of Studio Marconi’s history. An interview by Hans Ulrich Obrist with Valerio Adami completes this analysis.