ドイツ人ヴィジュアルアーティスト、ミヒャエル・ボイトラー（Michael Beutler）の作品集。2022年7月から9月までドイツの「ヴィルヘルム・ハック美術館（Wilhelm Hack Museum）」で展開していたサイトスペシフィックな新作インスタレーションを起点として、作者の近年の作品をまとめた一冊。ドローイングや模型に関しては今回初めて公開され、作者の作品が生まれるまでの複雑なプロセスをより細かなところまで描いている。新物質主義に由来する視点を用いており、寄稿されたテキストは作者の作品における物質性がいかにして明確されるかに焦点を当てている。持続可能性（サステナビリティ）、人生や仕事のユートピア的モデル、即興、偶然性といったテーマをリンクさせるコンセプチュアルなアプローチを紹介している。

ページの上部が袋とじ状になった造本で作られており、覗き見たり、手に入れた者だけがミシン目で切り離して内側のイメージを鮮明に見ることができる。

Taking as its starting point a new site-specific installation being developed by Michael Beutler for his exhibition at the Wilhelm-Hack-Museum, this publication is an up-to-date compilation of recent works by the artist. His drawings and models are also presented here for the first time, providing us with a more detailed sense of the complex process by which his works come into being. Taking a perspective derived from New Materialism, the texts focus on the way materiality manifests in Beutler’s work, informing a conceptual approach that links together themes like sustainability, utopian models of life and work, improvisation, and random chance.