BER by Matthias Hoch

ドイツ人ヴィジュアルアーティスト、フォトグラファーであるマティアス・ホッホ(Matthias Hoch)の作品集。

BER 2017–2020:一台の飛行機も見えない空港、誰一人いないターミナル。ベルリン・ブランデンブルク国際空港(空港コード:BER ※註)は、長い間いつまでも終わることのない巨大プロジェクトだった。完成には程遠く、何の機能もしていない、永久に宙ぶらりんの状態であった。

3年かけてこの静止状態を追った作者は、写真家というよりはむしろ考古学者として、アナログ大判カメラのレンズを通じて「BER」を見つめてきた。鉄道の駅からボーディングゲート、ランドサイド(一般区域)からエアサイド(制限区域)まで、1つ1つのエリアや空間に対し、「その場所をいつか使うことになる人の視点」からつぶさに観察した。こうして撮られた一連のイメージは、なんとも不思議な建築物を写し出してしまっている。「まだできていないもの」だった状態が「もう未完成とは言えないもの」になったばかりの場所の写真、時間をテーマにした写真のパズルである。

※註 ベルリン・ブランデンブルク国際空港は当初2011年開港予定であったが、さまざまな問題の発生により、幾度となくスケジュールが変更されてきた。最終的に、奇しくも新型コロナウイルス感染症が流行している最中の2020年10月31日に、当初の予定より9年遅れでオープンした。

BER 2017–2020: An airport with no planes, a terminal with no passengers. Berlin-Brandenburg Airport (code: BER) was for a long time a major project that never came to an end: half-finished, devoid of function, in a perpetual state of waiting. Over a period of three years Matthias Hoch studied this stasis, looking at the site through the lens of an analogue large-format camera, rather like an archaeologist: area by area, space by space – from the railway station to the boarding gate, from landside to airside – viewing it as a potential user might see it. The result is a series of images showing a mysterious construct – photographs of a place where the not-yet merely seems to have given way to a not-anymore: a picture puzzle of the time.

by Matthias Hoch

REGULAR PRICE ¥6,380  (tax incl.)

hardcover
120 pages
250 x 300 mm
color, black and white
2021

published by SPECTOR BOOKS