RIE by Lena C. Emery
“RIE(理絵)シリーズでは、『さらけ出すこと』を主題として本質的に女性的な対話を試みました。日本のこの点における曖昧さはとても特徴的だと思いますが、私はこれに触発され、日本の女性たちと話し、また彼女たちの姿を写真にとらえることによって考えを掘り下げていきました。被写体の女性たちは、徐々に着ているものを取り除きながら、時にはいたずらっぽさを見せつつ、ポーズ、休息、動きを繰り返します。この一連の行為を追っていくと、彼女たちが非常に繊細で複雑なやり方で自分らしさを表現していることが分かってきます。見られていることを気にも留めずに自分の内側に入り込んでいる被写体には、触れれば壊れてしまいそうな脆さが感じられますが、外からの視線を意識していることがはっきりわかる写真もあります。他者の存在を前提として私たち女性が自分の肉体をあらわにする場合、いったいどの時点で、この目に見える脆弱さが、見世物としてではなく裸でありたい、内的・外的な監視者から自由な自分自身でありたいという強い意志の理解や受容へと変化していくのか、それを明らかにしたいと思いました。” - Lena C. Emery
「FOAM Paul Huf award 2015」にもノミネートされたドイツ人フォトグラファー、レナ・C・エメリー(Lena C. Emery)の初作品集。本書にて作者は、秘められたものと露わにされたもの、被写体と鑑賞者の間の対話を女性の肉体の観察を通じて探求した。ここでは、服を脱ぐという行為を段階的に見ている内に、今度は鑑賞者であったはずの私たち自身が、作者が描き出す内面の複雑な表現に直面することになる。アーティストによるショート・ストーリーも含まれた本書には、作者のユニークな感性、作者ならではの色とトーンの捉え方がよく表れている。イギリスの出版社「IN OTHER WORDS」を主宰するデザイン・スタジオ「OK-RM」によるブックデザイン。
“...Within the series of Rie, I wanted to embark on an inherently female dialogue on the subject of revealing. Japan is uniquely ambigious in this respect which encouraged me to explore these thoughts through the communication with and portrayal of Japanese women. As the subjects in the images repeatedly pose, rest and move – at times playfully – while being in different states of undress, we become witness to a delicately complex elaboration in character. While some moments give way to a sense of vulnerability with the subject absorbed in her own intent, not consciously regarding the viewer, others show her clearly aware of the onlooker’s gaze. I was interested in understanding, at what point, when we reveal our bodies, as women to a potential other, does the apparent vulnerability cross over into the understanding and appreciation of the powerful notion of being naked and being oneself without an inner or outer surveyor present,without being on display…” - Lena C. Emery