PASSENGERS by John Schabel
アメリカ人フォトグラファー、ジョン・シャーベル(John Schabel)の作品集。500mmレンズにテレコンをかませ、実質1000mmの望遠を用いて滑走路を走る飛行機の乗客を窓越しに撮影した、1994から1996年にかけて制作された作品を収録。
「ジョン・シャーベルが撮った、飛行機で旅する名も無い旅行者のシリーズは、現代の旅客機の旅の体験とは切っても切り離せない没個性的な効率性と強烈な人間らしさという二つの要素の奇妙な融合を的確に表現している。工場の組み立てラインの上を流れる商品のように、シャーベルの被写体たちを運ぶ飛行機は次々と滑走路に降りてくる。規則正しく、全く同じリズムで、一人一人の乗客は彼のカメラから飛び出し、全く同じフレームに入れられて、ギャラリーの壁に姿を現す。今でも人は飛ぶことに対し特別な感情を持っているのに、人間と飛ぶことの間の感情的で知的な関係性はあまり注目されることはないが、この機械的なプロセスが鮮やかにこの関係性を描き出していることは興味深い。」ーローラ・M・アンドレ
“John Schabel’s series of photographs depicting anonymous airline passengers effectively captures the curious blend of impersonal efficiency and poignant humanity that pervades the experience of contemporary commercial air travel. Like products on an assembly line, the planes carrying Schabel’s subjects churn down the runway; and with the same regularity the individual passengers emerge, identically framed, from his camera and onto the gallery wall. Interestingly, it is precisely this mechanized process that lays bare the active, but often overlooked, emotional and intellectual relationship between human beings and flight.” ― Laura M. Andre