ガーナ出身のアーティスト兼作家、イブラヒム・マハマ（Ibrahim Mahama）の作品集。2024年7月から10月にかけて、スコットランド、エディンバラのギャラリー「フルーツマーケット（Fruitmarket）」で開催された展覧会に伴い刊行された。本展は、作者にとってスコットランドでは初めての展覧会となる。

作者はポストコロニアリズムと世界的な移民の事象がもたらす文化的かつ社会的な影響について語りかける、サイトスペシフィックな大規模インスタレーションで高い評価を得ており、その表現は示唆に富むものである。キュレーターであるアビー・ゲイ（Aby Gaye）、コンゴ人アーティストのゴデリヴ・カサンガティ（Godelive Kasangati）による書き下ろしテキストに加え、作者のインタビューも収録する。

作者は2015年の「第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展（the 56th Venice Biennale）」において、同展初の初のガーナ館のインスタレーションを担当した。メイン会場のひとつである「アルセナーレ（旧国立造船所跡）」の巨大な外壁を麻袋で覆った作品「Out of Bounds」は壮観かつ喚起的なインスタレーションであり、世界的規模のアート・シーンに爪痕を残した。その後も、（カカオを運搬するための存在として）麻袋や輸送コンテナといった廃材を用い、母国ガーナの歴史に関心を向ける作品を生み出している。「Out of Bounds」は、作者が素材の一生と力強い可能性を探究し続けるきっかけとなった作品である。麻袋は、生産と貿易、そしてそこに込められたより人間的な物語が持つ歴史を視覚的に訴えかけてくるものである。

A Ghanaian artist critically acclaimed for his evocative large-scale, site-specific installations that speak to the cultural and social effects of post-colonialism and global migration. With new writing commissioned from curator Aby Gaye and Congelese artist Godelive Kasangati as well as an interview with Ibrahim Mahama. Born in Tamale in 1987, Mahama burst onto the international art scene at the 56th Venice Biennale in 2015 with Out of Bounds, a work that clad the massive outside wall of the Arsenale in jute sacks to make a visually spectacular and thought-provoking installation. This work set the tone for what has become Mahama's on-going investigation into the life of materials and their dynamic potential - the jute sacks telling a visual history of the narratives of production and trade, and the more human tales embodied within.