FELIX GONZALEZ-TORRES — RONI HORN by Felix Gonzalez-Torres, Roni Horn
キューバ人アーティスト、フェリックス・ゴンザレス=トレス(Felix Gonzalez-Torres)とアメリカ人アーティスト、ロニ・ホーン(Roni Horn)による作品集。2022年4月から9月にかけてパリの現代美術館「ピノーコレクション(Pinault Collection)」で開催された展覧会に伴い刊行された。本展は、二人の深い友情の継承と、「ピノーコレクション」が所蔵・保存する二者の象徴的な作品をもとに、まるで現在も対談が続いているかのように両作者の作品を交えて展示した。
1990年、フェリックス・ゴンザレス=トレス(1957-1996)は「ロサンゼルス現代美術館(通称「MOCA」)」で催されたロニ・ホーン(1955-)の個展を訪れ、彼女の1982年の代表作である「Gold Field」を初めて見た。薄い金箔を地面に置き、作品保護の紐などを一切使わないその作品のシンプルさ、強さ、そして美しさに深い感銘を受けたゴンザレス=トレスは、1991年にホーンに直接会い、この作品が作者自身に与えた衝撃を告げた。数日後、ホーンから、急成長する二人の友情の印として、四角い箔が送られてきた。その後それを受けて、 ゴンザレス=トレスは絨毯のように並ぶ金色のセロハンで包まれたキャンディーを鑑賞者が自由に手に取れるようにした「Untitled(Placebo - Landscape - for Roni) 」を制作した。それに対して、ホーンは ゴンザレス=トレスと恋人に捧げて2枚の金箔を重ね合わせた作品「Gold Mats, Paired - for Ross and Felix」を発表した。本書は二人の友情を記念して、インスタレーション、写真、彫刻の展示を再現している。両作者によるテキストが収録されているほか、長らく「ル・プラトー(Le Plateau)」のアーティスティック・ディレクターを務め、「ピノー・コレクション(The Pinault Collection)」のキュレーターであるキャロライン・ブルジョワ(Caroline Bourgeois)、フランス人美術史家であり美術評論家、活動家のエリザベート・レボビッチ(Élisabeth Levovich)、アメリカ人キュレーター、美術批評家であるエレナ・フィリポビッチ(Elena Filipovic)、アメリカ人アーティスト、キュレーター、編集者のジュリー・オールト(Julie Ault)によるエッセイも掲載。
Catalogue of the exhibition "Felix Gonzalez-Torres-Roni Horn". In the continuity of their deep friendship and based on emblematic works conserved by the Pinault Collection, the exhibition brings together the works of both artists, as if their discussion continued to exist in the present.
Texts by Felix Gonzalez-Torres, Roni Horn, Caroline Bourgeois, Elisabeth Lebovici, Elena Filipovic, Julie Ault