FUJIKO NAKAYA by Fujiko Nakaya
日本人アーティスト、中谷芙二子の作品集。作者は、日本の最も重要な現代美術家の一人として知られる。札幌で生まれた作者は、イリノイ州の「ノースウェスタン大学(Northwestern University)」を出たのち、水を使って霧の彫刻を制作し、その後作品は世界中の公共空間や主要な美術館、公園において、デザインの一部として採用されるようになる。
ニューヨークを拠点に活動するコレクティブ「Experiments in Arts and Technology(E.A.T.)」のメンバーであり、パフォーマンスに参加した作者は、1960年代に鑑賞者を没入させる霧の作品が国際的に知られるようになった。1970年に大阪で開催された「日本万国博覧会」の「ペプシ館」のために制作された霧の作品は、一時的な空間の変化を起こし鑑賞者と物理的に交わることで、従来の彫刻における伝統を覆した。早期から抱いていた環境保護に対する問題意識によって生まれた作者の画期的な作品は、純粋に水と空気のみで作られる。これは、気候変動が起こる中で特に重要な要素である。初期のペインティング作品から霧の彫刻、シングルチャンネルビデオ作品、インスタレーション作品、そして文化や社会に対する言及を明らかにするドキュメンテーションまで収録する本書は、作者の秀逸な作品を詳細かつ包括的に概観できる一冊となっている。
作者は芸術分野において秀逸な業績を残したことが評価され、2018年に「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞している。
「霧は見えるものを見えなくさせ、見えないものを、風のように、見えるようにする」ー中谷芙二子
“Fog Makes Visible Things Become Invisible and Invisible Things—like Wind—Become Visible" Fujiko Nakaya
Fujiko Nakaya is one of Japan’s most important contemporary artists. Participating in the 1960s performances of the New York-based collective Experiments in Arts and Technology (E.A.T.), she became internationally renowned for her immersive fog artworks. First created for the Pepsi Pavilion at Expo ’70 in Osaka they defy traditional conventions of sculpture by generating temporary, atmospheric transformations that physically engage with the public. Driven by early ecological concerns, Nakaya’s groundbreaking work is based purely on water and air—elements that have particular significance in light of the climate crisis. From the artist’s early paintings to her fog sculptures, single-channel videos, installations and documentation that reveal Nakaya’s cultural and social references, this in-depth survey offers a comprehensive overview of the distinguished artist's work.