オーストリア人アーティスト、アルヌルフ・ライナー（Arnulf Rainer）の作品集。

本書は、『PERSONAL STRUCTURES ART PROJECTS』の一環で刊行されており、アーティストのレネ・リートマイヤー（Rene Rietmeyer）が企画し、オランダ人アーティストでありキュレーターのカーリン・デ・ヨング（Karlyn de Jongh）、美術史家のサラ・ゴールド（Sarah Gold）がアーティスト陣と密に協働しながら本シリーズの制作にあたっている。

本書はオランダを拠点とする『PERSONAL STRUCTURES ART PROJECTS』シリーズの第5作目。250部限定で刊行され、最初の50部はデラックス版（#1-50）、次の50部は非売品（hors commerce / H.C. / #I-L）として制作された。本ページで掲載しているものは、150部限定で発行された、#51-200がナンバリングされたスタンダード版である。

本書は、デ・ヨングとゴールドがスペインのテネリフェ島にある作者の制作スタジオを訪れたことから始まり、現在も継続して発展し続けているプロジェクトである。2人のポートレートに作者が上からペイントをするという手法で制作され、本書には100点を超える作品が収録されている。加えて、テネリフェ島のスタジオで作者が制作する様子を撮影した動画を収録したDVDが付属。

「私たち二人の写真に一枚だけ、ライナー氏にペイントしてもらおうという夢が、この終わりのない共同プロジェクトに発展しました。2011年1月、スペインのテネリフェ島にあるライナー氏のスタジオを訪れました。最初に『ベールダンス』の写真を撮った後、ライナー氏はどんどん変わったリクエストを出してくるようになりました。中国風のネグリジェを着てドタバタ劇やベリーダンサーをしてみたり、SMや緊縛に変わって、天使、オペラ歌手、仮面の神々、さらにはオーガズムのポートレートのシリーズへと発展したんです。」

"What began with their dream that perhaps just one photo of them would be over-painted by Arnulf Rainer, resulted in a never-ending joint project. It really started when Sarah and Karlyn visited Rainer in his studio on the island Tenerife, Spain, in January 2011. After the initial ‘veil-dance’ photos, Rainer came with more and more ‘unusual requests’. From slapstick and belly dancers in Chinese negligees, it turned into SM, bondage and again developed into series of angels, opera singers, masked gods and even portraits of orgasms. The project continues to develop until today."