アメリカ人ミュージシャン、アーティストであるクリスチャン・マークレー（Christian Marclay）の作品集。1995年に制作された本シリーズ「TELEPHONES」は、後に生まれる「CROSSFIRE」（2007年）、「THE CLOCK」（2010年）、「DOORS」（2022年）をはじめとしたビデオ・コラージュ作品の先駆けとなった作品である。レンタルビデオショップで借りたVHSフォーマットの映像からシーンをサンプリングし、編集して7分間のモンタージュ動画に仕上げたこの初期の作品が、本の形として作られている。映画にまつわる我々の記憶の集合をベースとしており、オリジナルの映像構成は技術や行動パターン、音響効果、そしてオーディオやヴィジュアル・コミュニケーションに関連する文化的な文脈の破壊をさらけ出している。作品が生まれてから30年以上の時が経過しているが、その関係性は薄れるどころか、むしろ濃くなっているようですらある。

Christian Marclay’s ‘Telephones’ (1995) was a precursor to the video collages he would produce later, such as ‘Crossfire’ (2007), ‘The Clock’ (2010), and ‘Doors’ (2022). This publication takes the earlier moving image work – where scenes were sampled from movies in VHS format rented at video stores and edited into a seven-minute montage – and adapts it into book form. Based in our collective memory of cinema, the original video’s structure revealed a clash of technologies, behavioural patterns, sound effects, and cultural references associated with audio and visual communication. Almost 30 years later, its relevance seems to have grown rather than diminished.