NOTHING'S IN VAIN by Emmanuelle Andrianjafy
マダガスカル人フォトグラファー、エマニエル・アンドリアンザフィ(Emmanuelle Andrianjafy)の作品集。作者は、マダガスカルで生まれ、フランスで学び働いたのち、2011年にアフリカ沿岸の西端に位置し大西洋を一望できるセネガルの首都ダカールの港町に越した。自分の生まれと似通った点があるだろう、すぐに馴染めるに違いない-そう思っていた。しかしそこは戸惑うほど活気に満ち、多忙で騒々しい都市であった。海沿いでありながらただ暑く乾燥し、平穏な雰囲気は無い。本作は、そこへ移住した作者の一つの答えである。見知らぬ世界の混沌に戸惑いながらも抱きとめ、創造と破壊のはざまで絶え間なく変化し続ける一つの大都市を巡る探検のような旅を本作で見せている。そのイメージのシークエンスは、ストリートやポートレイト、風景、何かにクローズアップした場面など多様なシーンの中を疾走しているようであり、そのシーンこそがダカールの街が持つ多様な表情の中で作者の日々変化に富んだ経験をまた生み出している。イギリスの出版社MACKが主催する過去に写真集出版経験の無い作家の出版支援を目的とする「First Book Award」の2017年グランプリ受賞に伴い刊行。
In 2011, Malagasy photographer Emmanuelle Andrianjafy arrived in the port city of Dakar, situated on the westernmost African coast, overlooking the Atlantic Ocean. Nothing's in Vain is Adrianjafy's response to the experience of uprooting to the Senegalese capital, a city as vibrant as it is disorientating. Embracing the chaos of an unfamiliar world, she takes us on an exploratory journey through a metropolis in constant flux between construction and deconstruction. The sequence of images careens between street scenes, portraits, landscapes, and close-up details, recreating her fluctuating experience of the multiple faces of the city.