THE LOS ANGELES PHOTOGRAPHS by Peter Cain

アメリカ人アーティスト、ピーター・ケイン(Peter Cain)の作品集。2026年5月から6月にかけてニューヨークを拠点とする出版社でありギャラリーの「American Art Catalogues」で開催された展覧会に伴い刊行された一冊であり、ニューヨークでの個展としては10年ぶりの開催となった。本作は1996年に制作された全98点からなる写真シリーズであり、1997年に37歳の若さでこの世を去った作者が晩年に手がけた最後期の作品群の一つである。本書は、このシリーズの初刊行作品集となる。

写真はウェスト・ハリウッド、グレンデール、バーバンクで撮影され、当時のロサンゼルスを車で走る感覚を鮮やかに映し出している。名もないミニモール、至るところに点在するガソリンスタンド、風にはためく新規開店のフラッグ、そして遠景に連なる山並み。そうした都市の断片が写し取られている。

それから約30年が経ち、多くの店舗はすでに姿を消した一方で、当時のまま残る場所もわずかながら存在している。作者は、「セブン-イレブン(7-Eleven)」の看板の足元に丁寧に植えられた多年草や、ガソリンスタンドに掲げられた「SELF(セルフサービス)」という、意図せずどこか物悲しさを帯びた標識など、見過ごされがちな細部に独特のまなざしを向けている。そうした些細な都市の風景が、作者の写真の中では静かな存在感をもって立ち現れている。

作者は、我々を取り巻く世界を他に類を見ない視点で見つめていたアーティストである。日常のありふれた風景や対象を大胆に変容させることで、その奇妙さや美しさを新たな視点から浮かび上がらせた。1990年代には、異様に変形した自動車を、人の気配のない閉塞的な背景の中に描いた絵画によって広く注目を集める。数々の展覧会やビエンナーレに出品されたそれらの作品は、孤立や孤独、加速する消費社会、そして暴走し始めるテクノロジーへの不安といった、1990年代アメリカ社会を覆っていた時代精神を鋭く映し出していた。

The Los Angeles Photographs, a group of 98 images from 1996, is one of Peter Cain’s final artworks. They are being published for the first time here. Taken across West Hollywood, Glendale, and Burbank, they capture the feeling of driving through LA at that time: anonymous mini malls, gas stations seemingly everywhere, grand opening flags flapping in the wind, a mountain range looming in the distance. Though thirty years have passed and many of these businesses are gone, a handful of locations remain untouched. In the images, Cain seems to fixate on the easily overlooked details like carefully planted perennials underneath a 7-Eleven sign or unintentionally poignant signage at the gas station that says “self.”

by Peter Cain

REGULAR PRICE ¥6,380  (tax incl.)

ISBN: 9798902715474

hardcover
208 pages
159 x 210 mm
color
2026

published by AMERICAN ART CATALOGUES

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