SKOOB WORKS by John Latham
イギリス人アーティスト、ジョン・レイサム(John Latham)の作品集。本書は2018年にニューヨークの「リッソンギャラリー(Lisson Gallery)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
コンセプチュアリストである作者は、1958年以降、本を媒体として作品に用いるようになり、初期のスプレーペイントで描いたキャンバス作品から、キャンバスに塗られた漆喰から本が飛び出すレリーフを使った三次元の作品へと拡張していった。本の物体としての質を活用しながら、情報の宝庫としての本の価値や構造を覆している。このような、本が持つ目的の反転から由来し、作者はこの作品群に、「books」を逆に綴り「skoob」という名をつけた。本書はこの独創的なシリーズを初めて主題として取り上げた一冊となる。
表紙には片面がグレー、もう片面が黒の紙を用いてスイス装で製本し、内側の本文を黄色い製本テープで綴じた本書のデザインは、本という形態の物質性をあえて強調するものである。細いサンセリフのタイポグラフィーにゆったりとした余白の使い方など、レイアウトはどこか1960年代のアートブックデザインの視覚言語を思わせる。
British conceptualist John Latham (1921–2006) began using books as a medium in 1958, extending his earliest spray-painted canvases into the third dimension with reliefs in which books emerged from plaster on canvas. This catalog marks the first focused representation of this seminal series.