PUBLISHING PUBLISHING MANIFESTOS / 出版のマニフェストの出版 by Michalis Pichler

ドイツを拠点に活動するアーティスト、ミハリス・ピヒラー（Michalis Pichler）の作品集。本書は、「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」の「ゲストカントリー」としてドイツを特集するプログラムの一環として刊行された。

本書の編者である作者は、アーティストであり、同時にドイツのアートブックフェア「MISS READ: The Berlin Art Book Fair & Festival」の創始者かつ現ディレクターでもある。2018年には、アーティスト、作家、編集者、出版社、デザイナー、ZINE作家、アクティビストたちによる多彩なマニフェストを集めた『Publishing Manifestos』（2019年、The MIT Press）を発表している。本書『出版のマニフェストの出版』には、作者がオリジナル版『Publishing Manifestos』の序文として執筆したエッセイが収録されている。このエッセイでは、出版を芸術的かつ政治的な実践として捉え、インディペンデント出版の経済、公共の場としてのブックフェア、ポストデジタル出版など、近年注目を集めるアートブックシーンの背景を多角的に探っている。さらにこの日本語版では、オリジナルのコンテンツに加え、日本人アーティスト、平山昌尚（HIMAA）へのインタビュー、出版社である「NEUTRAL COLORS」の加藤直徳と加納大輔、そしてアーティストのミヤギフトシらによる座談会が収録されており、日本の視点を織り交ぜた独自の内容となっている。