NEW LEXICONS FOR EMBODIMENT by Bárbara Sánchez-kane

メキシコ人アーティスト、デザイナーのバルバラ・サンチェス=カネ(Bárbara Sánchez-Kane)の作品集。ニューヨークのギャラリー「クリマンズット(Kurimanzutto)」にて2023年9月から10月まで開催された展覧会に伴い刊行された、ニュースプリントスタイルで仕上げられた一冊。

サンチェス=カネをまとった体に、何が起きるんだ?」と、詩人であり評論家のルイス・フェリペ・ファブレ(Luis Felipe Fabre)が訊く。サンチェス=カネをまとった身体の四肢は変異する。内臓は腫れ上がる。かつては腕があったところに耳が生える。怪物のような、吸血鬼のような体になる。アイデンティティは傷つけられる。イメージは剥ぎ取られる。そして、身体は消え去る。

ニューヨークの「クリマンズット」にて開催された、作者にとって初の個展である「New Lexicons for Embodiment」は、独立的でありつつもお互いに絡み合うファッションとアートの世界を行き来する作者が、衣服をまとった身体を、我々が世界を体験し、現実と触れ合うためのインターフェースとしてみなし、いかに衣類がアイデンティティや個人的表現の受け止め方に影響しているかを探る。

「彼女」と「彼」という三人称を交互に使い分ける作者は、アイデンティティの解体と表現される自己の二面性に惹かれている。その衣服や彫刻を通して、構造が絶え間なく引き裂かれ、壊され(そこにあるはずのない隙間たち)、機能性を奪われた伝統的な品々が繰り返し登場させられている。

What happens,” asks Luis Felipe Fabre, “to the body dressed in Sánchez-Kane?” Its limbs mutate. Its organs swell. It sprouts an ear where once was an arm. The body becomes monstrous, vampiric. Its identity is slurred. Its image stripped. It disappears. New Lexicons for Embodiment celebrates Bárbara Sánchez-Kane’s (1987, Mérida, Mexico) eponymous sartorio-sculptural exhibition at Kurimanzutto, New York, from Sept. 14 through Oct. 21, 2023.

 

by Bárbara Sánchez-kane

REGULAR PRICE ¥4,400  (tax incl.)

newsprint
32 pages
286 x 381 mm
limited edition of 2,000 copies
2023

ENGLISH & SPANISH

published by ZOLO PRESS