RELOCATING A STRUCTURE by Maria Eichhorn

ドイツ人アーティスト、マリア・アイヒホルン(Maria Eichhorn)の作品集。ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展におけるドイツ館の波乱の歴史を検証するプロジェクト「Relocating a Structure」を紹介する1冊。ドイツ館のパビリオンは1938年にドイツのナチス党によって再設計された歴史を持つことから、アーティストやキュレーターにとって重要な位置づけとなっている。ドイツ代表として参加した作者は、2022年のヴェネチア・ビエンナーレでドイツ館のパビリオンを会期中に移設し、その後、元の場所に正確に再現するという当初の発想とともに、1909年に建てられたバイエルン館と1938年にナチス党によって増築された現在の建物の2棟から成り立つパビリオンの建物の構造体を分析した。作者はパビリオンの基礎を発掘し、壁から石膏の層を取り除き、過去の構造物と改造された建物の接合部を露出させた。

この展覧会カタログは、作者が本展へ貢献した功績を見てとることができる。本書には、展示の膨大な写真記録や多数の歴史的な写真資料に加え、ビエンナーレやドイツ館の歴史、さらには美術史、哲学、都市社会学、政治学などを含む幅広い側面を探ったエッセイや研究論文(英独伊語)を収録している。本書は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に伴い刊行。編集は本展のキュレーターであり、ケルンにある「ルートヴィヒ美術館(Museum Ludwig)」の館長を務めるイルマズ・ズィエヴォル(Yilmaz Dziewior)が手掛ける。

Originally, the artist wanted to remove the German Pavilion for the duration of this year's Biennale: Her publication explains how. The research required for this is documented in detail and thus not only unearths the physical layers of the building and its foundation. In addition to the photographic documentation of the project and numerous historical photographs, it brings together essays and studies on the Venice Biennale and the German Pavilion as well as on further art-historical, philosophical, urban-sociological and political issues.

by Maria Eichhorn

REGULAR PRICE ¥7,150  (tax incl.)

softcover 
372 pages
214 x 275 mm
color, black and white
2022

published by WALTHER KÖNIG